ある国では探偵業が盛んだ。
もう少し正確に言うと、相手の心の流れを読み取る力が発達しているのだ。
その力は人を裁く時に最も使われた。
そんな国にひとりの警察官のタマゴがやってきた。
「ボス!私はまず何したらいいですか?」
「ん~?とりあえず、容疑者の身辺調査宜しく!ついでにその辺の資料に目を通してこの国の傾向を知っておけ」
来る日も来る日も、彼は身辺調査をしている。
「あの・・・ボス、そろそろ」
「ん?何だね?」
「いえ、容疑者は自白したのかなって思いましって」
ボスは驚いたような顔をして新米警官を見つめた。
「ハッハッハ!新米!お前知らないのか?この国には自白は存在しないのだよ。」
「え?ですが、それだと時間がかかりすぎるのでは・・・?」
「お前、この国の警察の歴史を知っているか?」
「昔は犯人確定率がほぼ100%だったのに今じゃ60%にも満たないってヤツの事ですか?俺はそっちの方がいいと思いますよ。」
「あぁ、それは裏があってな。『自白』をさせていたのだよ」
「はぁ。じゃあ犯人がつかまるからいいじゃないですか。」
「そうだ。だがな、長い歴史から『自白』は精神的に圧力をかけた時や拷問にかけたときでないとなかなかされないことも物語っているのだよ。」
「え?それってつまり・・・」
「何人。無実の罪をかぶったヤツがいるのだろうなぁ・・・。大変だろうがちゃんと調べてくれよ。」
ボスは遠くの空を見つめていた。