夏休みが終わる頃、ミナトのカブトムシが死んだ。
ここ最近、動かなくなっていたのだが、終に動かなくなった。
「ねぇ、お母さん、カブトムシのお墓つくっていい?」
母に聞きき、玄関脇にある庭土にカブトムシを埋めた。
学校が始まり、数週間。
ある日、ミナトが学校から帰ってくると
そこには紫色をした小さな花が咲いていた。
「ねぇ、ねぇ、お母さん見て!見て!」
そういい、ミナトはうれしそうに母を連れ出し、花がを見せた。
きっとこれはカブトムシの生まれ変わりだ!彼はそう思いたかったのだろう。
「まぁ、良かったわね。きっとこれはカブトムシの花ね」
母は、ミナトの気持ちを汲んだのかそう答えた。
ミナトはうれしそうにこの花に水をやっている。
・・・・
一年の時が流れ、
また、その時期に同じ紫色の花が咲く。
決まった時期にカブトムシが帰り咲く庭。
ミナトは紫の花に水をやった。
あの日に、一緒にいたカブトムシを思い出して。
今日は母親が仕事の日。
ちょうど、ミナトが水をやっているとき母が帰ってた。
水をやるミナトに言った。
「ただいま。ミナト。そこ、雑草しかないのに何で水やってるの?」