あの日、彼女からはじめて聞いた。

どこでもそうなのだろうが、娘と言うものは男の子に比べ

こんな話題が浸透しやすい。

地元で行われる花火大会、そこで愛を語り合ったものたちは永遠に結ばれると言う。

 

永遠に・・・か。

少し迷惑な話だ。

 

そんな都市伝説のおかげか、

中高生のカップルが多い。

 

子連れの家族にとっては目にあまる。

それでなくても人人人。

暑いのにおしくら饅頭をしに行っている気分だった。

 

そんな中、律儀に伝説を信じ

愛を語っている人もちらりほらり。

頭がやられているんじゃないかと思う。

 

私の頃なんかは、ありきたりな語らいでも

もう少し知恵を使ったと思うが・・・。

こう言うことを言う時点でもう年だなと感じてしまう。

 

いや、人ごみでの語らい。それもまた風流と言えば風流か・・・。

人世代前に自分達を思い出し、少し感傷に触れた。

 

「パパ~。わた飴買って~」

 

この子達も、こうなって行くのだろうな。

 

「いいけど、人にぶつからないようにしなさいよ。」

「は~い。」

 

そう思うと、わた飴がずっしりと重く感じた。

ひとつ300円は重い。

 

 

花火の打ちあがるときの音は、首を上げ上を向く。

子どもたちも上を向き、花火を見ていた。

 

昔なら抱っこをしてあげたが、今はそうは行かないな。

そんなことを思いながら、また花火を見た。

多分、そろそろ卒業だ。もう、人ごみの中わざわざ来たくないだろう。

 

すると、彼女が言ってきた。

 

「パパ。来年も来ようね!」

 

いつまで、彼女に言われるだろうか。

娘に対し、

ただり笑い、うまく返事ができない自分がそこにいた。