熱い・・・熱い・・・助けてくれ。

ワシをワシをまず先に助けてくれ。

 

『只今、時計は12時を回ったところです。つい先ほど、都内の某所3階建てのビルでで火災がありました。』

『報道の宮城さん現場はどのような状況ですか?』

『えぇ、社員によりますと全員無事に脱出する事ができたのだそうです。』

 

まだ、助けに来ないのか?

おのれ、八木のヤツワシよりも先に女性社員を助けて出て行くとは。

 

『え、只今情報が入りました。会社経営者山手社長がまだ建物の中にいるそうです』

『あっ、今、消防隊員が突入しました。救出作業は困難な様子です。』

 

 

お、オイ、アンタ。

アンタだよ。そこの黒い頭巾かぶったアンタ。

 

ワシを助けろ。

熱いんじゃ。

 

「・・・助ける?」

 

そうじゃ、この場から開放してくれ。

 

「・・・待っていれば、消防隊員が来ますよ?」

 

んなもん待っていられるか!

アンタが助けられるじゃないか。

 

「私が誰かもわからないのに?」

 

アンタ、ウチの社員じゃろ?

 

「名前も知らないじゃないのですか?」

 

んなことどうでもいいじゃろ?

早く助けんかい!

何を望むんじゃ?給料UPか?休日か?

助けてくれるなら

今ワシが手にしている財産好きなだけやってもいい。

どうだ?助ける気になったか?

 

「・・・あなたの財産は今、燃えているのに・・・ですか?」

 

なぁ、頼む。頼むから助けてくれ!

 

「・・・わかりました。助けてあげます。その代わりあなたの財産は貰い受けますよ?」

 

 

『あっ、今、状況が変わった様子です。消防隊員がおそらく社長を救出し出てきた模様。』

『酸素マスクを取り付けています。』

『おや?隊員が首を振っています。』

 

 

 

「社長!」

「社員さんですか?ご家族の方に連絡をお願いします。」