観光タクシーの運転手Oさんと
お別れした後
京町屋をリノベーションしている
風情あるお食事処で
ランチをいただき、
京都御所に立ち寄りました。


京都御所は
明治維新によって
東京遷都が行われるまで
代々天皇のお住まいがあった場所だそうで

御所の周りにあります京都御苑が
公園として市民や観光客に
現在、一般開放されています。


天皇ゆかりの場所と聞いていたので
厳かな雰囲気なのかな?と
想像していましたが
実際、訪れてみたら
ご近所にお住まいであろう
ご家族連れや散歩中の方がたくさんいらして
とても和やかな雰囲気、、☺️🌈

江利子さんも私も
木々の下でお散歩したり
ベンチで寛いだりして
御所に訪れている他の方々と同じように
束の間のひとときを過ごしました。


江利子さんは
東京都渋谷区にある
明治天皇と昭憲皇太后を
御祭神にしています明治神宮に
昔からご縁があるそうで

よく参拝なさっていることを
お話には伺っていましたが
今回京都御所に行く予定ではなかったはずが

それでも
やっぱりここに行かれるんだな、、
と、私は感じたのです。


スケジュールに組まれてはいなかったけど
たまたま
お食事処が京都御所の近くで
たまたま
ランチコースが早めに終わり
数十分ほど時間の余裕ができた。

お天気にも恵まれていて
大きめの荷物を持ちながらでも
ちょっとそこまで、、と、
ブラタモリ的に(笑)
てくてく、てくてく、歩いていけたから
たどり着いた京都御所。


いろんな偶然が重なって
こんなに短時間でも来ちゃうんだな
江利子さんは
よほど縁があるんだろうな


京都御所の穏やかな雰囲気に包まれながら
しみじみ思う私と
ふいに木々の中へとお散歩に行かれて
かわいい木の葉を手に
にこにこしながら戻ってきた
江利子さんでした(笑)


🌳🌳🌳🌳🌳🌳

京都御所をあとにして
帰路につくため
タクシーを呼んでいただき
京都駅へと向かいました。


そちらのタクシーの中でも
江利子さんは
観光タクシーのOさんの時と同じように
丁寧にお話されていて
運転手さんも
いろんなお話を聞かせてくださいました。

たとえば、京都御所が
通年で一般公開されるようになったのは
ほんの数年前で
それまでは春・秋二回に公開されるのみ
しかも予約をしないと入れなかったそうです。

また、最近のコロナ禍で
京都の観光事情についても
お話してくださり、、


江利子さん(以下・江)
「京都はすてきな名所がたくさんありますから、今の紅葉の時期はとくにお忙しいシーズンかと思いますが、観光客の方々は戻ってこられていますか?」

運転手さん(以下・運)
「一時期よりも、少しずつ戻ってこられてますよ」

江「そうなんですね。私も今回訪れて京都はとてもいい町だと思いました✨本当にすてきな町ですけども、今の観光事情は、実際のところはいかがですか?」

運「そうですね、、今はコロナがあるからこれくらいに抑えられてるんですけど、、例年は、もっとたくさん観光客の方が来はりますから、シーズン中は、市民の生活が滞ることもあるんです。」


と、運転手さんが感じていらっしゃる
率直なところを
話し始めてくださいました。


運「高齢者の方で、病院に行くのもタクシーやないと行けんって人も、中にはいてはるんですけど、観光シーズンになるとタクシーもなかなか乗れんかったり、、バスも観光客の方たちでいっぱいやったり、道路もいつもより混みますしね。私らも運んであげたくても、なかなか難しいこともありまして。そういう時は、もどかしいなぁと思うこともあります。」

運「せやから、地元の人たちは、観光シーズンまでに、だいたいの自分たちの用事は済ませといて、シーズンに入ったら、あんまり外出せんでええように、備えたりしてるんですよ(笑)」

運「地元市民に、行政から何かしら還元があったらまだ良いんですけど、そういうものはなくて、むしろ観光のために、私らが市民税払ろてるようなもんで、、(苦笑)まぁ、そんな一面もありましてね。せっかく京都まで来てくれはったのに、こんな話をするのも、あれなんですけど、、😳💦」


観光客として来た私たちに対して
ホスピタリティーを忘れずに
慮ってくださりながらも、
地元でおつとめされている運転手さんが
肌で直に感じていらっしゃることを
お話してくださったんだな、、と思いました。


普段なら、運転手さんは
観光客のお客様に対して
そこまで突っ込んだことを
お話されることは
ほとんどないと思うのですが、

京都御所から京都駅まで
ほんの数十分の短時間でも
江利子さんとお話しているうちに
運転手さんの心が開いていくかんじが
伝わってきました。


江利子さんは、タクシーに乗るときに
お金を払ったからといって
なんとか快適に無事に
運ぼうとしてくださる方がいらっしゃるのは
全然当たり前じゃないから
本当にありがたすぎる✨
と、思っていらっしゃるそうで
こういう気持ちから
運転手さんと会話されていると聞きました。


普段、自分のおつとめをしている中でも
もちろん褒められるためではなく
お仕事だから勤めているとはいえ
ふいに、誰かに労われただけで
すごく嬉しかったりします。


一期一会であっても
そんな気持ちを向けてくれる誰かに出会ったら
一瞬で元気になって
それだけで
一日ハッピーでいられる✨


時間も、場所も、人も選ぶことなく
自分のきもち次第で
幸せな空間を創ることができる✨


京都御所に立ち寄ったときに感じた
とても穏やかで
みんなが平和に過ごしていた
あの空間の雰囲気そのまま、
またも、移動のタクシー車内に
広がっていました。


私もこんな空間を
江利子さんのように
自分から創ることはできるかな?
ひとつの望みが
芽生えたような気がしました。


運転手さんが
無事に私たちを京都駅まで
運んでくださったとき
京都タワーを横切って

私にはそれが
希望を照らす灯台のように
感じられたのでした。


-京都旅 第4話へ続く-