通過点
職場にて初めての掃除当番の朝
忘れないようにと三日前から気にしまくる
当日を迎え、いつもより早めに出勤
ロッカーで着替えてさて掃除いざ掃除
と、え?
帽子がない
ぼうし、帽子
ガサガサゴソゴソ探すもない
うわ
そうだ!今朝乾燥機かけて取り出さないまま
頭の中は掃除当番でいっぱいで
頭にかぶる帽子は置いてきぼりという…
あぁサザエさんかよ自分
から回ってるよな、まったく
五十路の中年、朝から仕事場にダッシュ
『おはようございます
朝からすみません
掃除当番に気を取られて帽子を忘れました』
小学生かというありさま
戻って取ってきていいですか?
から
先輩の『ちょっと待って』
から退職者の返却品を借りてくださり事なきを得る
参るよな…ホント
小学生から成長のない自分に再会する
しなび中年、打ちひしがれてる場合じゃない
掃除当番を済ませお騒がせオバサン業務開始
職場に就き一ヶ月半
あれやこれやと間違いだらけの修行生活
二週間違いの若娘はもう役割を与えられ
ちゃんと仕事をこなすほどにまで成長著しい
が、かたや中年オバサンは
いまだにオロオロ右往左往
必ず一日一善ならぬ
一日一回は失敗をやらかす毎日
そう、近頃よくない兆候が発生しておりました
前職場の前に勤めたパワハラ上司のいた職場での処遇が甦るのであります
早くやらなくちゃ
早く覚えなくちゃ
何回も聞いちゃいけない
自分で考えないと!
コレってこうでいいのかな?
間違えることへの恐れ
覚えられないことのプレッシャー
何回も聞いていいのよ、って言ってくれてるけど
ホンネはそうではないのでは?
何一つまともにできないような気がしてくる
どうしたら覚えられるの?
いつになったら上達するの?
やさぐれ🦁さんがいるときより
いないときの方が効率がいいのはどうして?
公開処刑が頭をめぐる
ぎゅっとしめつけられた胃袋が
手を動かなくさせる
妄想である
誰も何も言ってない
休日に思う
今日はやさぐれ🦁さんがいないから
作業がスムーズね
と、言われたり思われているのではないか?
言われてないのに脳ミソが過剰に怯えてしまう
くっそぉぉぉぉぉぉ!
あのパワハラ上司め!
これはトラウマであるわな
完全に痛みが自分を支配していて
ガチガチな自分を生み出している
ココロ、イタイんだ
ツラカッタんだよな
大丈夫
大丈夫
誰も何も言ってない
仕事内容より
自分が働くことへの健康な心を回復させるのが先よな
そこに居ることに慣れること
大丈夫だと思えること
まずはそこからスタートなんだといろいろ思い直す
誰もそんなの知らんがなな
しかしちくしょうパワハラ野郎め
今でもあの蛇みたいな目つきを思い出すと途端に萎縮する
もう終わったんだから負けるな自分!
分かっちゃいるけど
そんな簡単に回復できないほどの記憶
今、それが抜けられず苦しいです
深呼吸
