昨日見た映画。



あらすじ
ある日突然、夫に捨てられてしまった
売れっ子書評家ウェンディ(50代)は、
プライドがずたボロ、自暴自棄に毎日。
しかし農場で働く娘に会いに行くために、運転免許が必要になり、
偶然知り合ったインド人タクシー運転手のダルワーンに
運転を習い始める。、
最初は怖がるばかりでまるでダメだったけど、
教養が深く誇り高く、思慮深い彼の的確なアドバイスで
運転技術とともに、
人生をやり直す知恵も身につけて行く。


インド人のタクシー運転手役が
「ガンジー」の名優キングズレー。
インテリで有名な彼が出演してるってことは、
少なくてもシナリオは駄作じゃないんだな、
って思って。

派手なカーアクションも撃ち合いもないし
いわゆる美人女優も出てこない。
地味なおじさん、おばさんが主人公の映画なのですが
途中、ぜんぜんだれなかったし
終わった後、いつまでも幸せな余韻が残り
静かな勇気がわいてくる、本当にいい映画でした。


車を運転する、ということが、
これほど「生きる」ということと
酷似しているとは。


というより、車の運転のしかたに
その人の生き方があらわれる、
ということなのかもしれません。

運転の仕方を伝えるダルワーンの
高潔な人生観によって
やさぐれていたウェンディが
浄化され、
勇気を与えられたのだと思います。

というメインテーマのほかに、
この映画は
アラフィフだからこそ
「沁みるわーーー」
という発見がいっぱいつまってて。

ウェンディは、気を抜くと、
ものすごいおばあちゃんに見えるのですが
でも、高そうなすっきりシンプルな服で
きちんと装うと
若い娘には絶対にない、ある種のセクシーさが
もわっと放出されるんです。

たぶん、そのシンプルさに、
内面の自信があらわれるからなんですねー

あと、この映画の裏テーマである、
結婚生活の知恵。

ダルワーンは見合いで
初対面の女性と結婚するのですが
(初めて会った次の日が結婚式)



ダルワーンが詩と文学を愛する超インテリなのに
この嫁がまあ、英語は読めないわ
怖がって買い物にも出ないわ
すぐひがんでめそめそ泣くわ

正直、
「このヨメ、はずれだな」
「別れて、ウェンディといっしょになればいいのに」

と思った。

結婚生活がうまくいかないことに悩むダルワーンは
ウェンディにたずねる。

「あなたは言葉のプロだ。
結婚生活を続けるために、私は
妻に何と伝えればいいのか、教えて欲しい」


ウェンディが言った言葉に
既婚者ならみんな
大きくうなずくはず。

人生がいろいろうまくいかなくて
心が弱っている時、
この映画はかなり力になると思います。

あと、立ち直ったウェンディの婚活も
アラフィフにありがちな教訓を教えてくれる。

50代って、それなりにいろいろやりとげて
自分に自信を持っている人が多いと思うけど

それが裏目に出ることもあるので注意、
ってこと。

そして映画の中で
ウェンディがしょっちゅう
ワインを飲んでるので



サブリミナル効果というか
映画を見終わった後、
たまらなくワインが飲みたくなって
ダンナを、ぐいぐい引っ張って
ワインが飲める店に行ったのでした。

そのレポはこの後。