固定資産税 | 司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

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登記申請を法務局に行う際、所定の登録免許税を納付する必要があります。


抵当権の抹消や住所の変更、といった登記は不動産1筆につき1000円といった定額課税ですが、不動産の売買や贈与といった所有権移転登記では『当該年度の固定資産評価額の○%』といったように定められています。


登録免許税や不動産取得税の計算の基準となる固定資産評価額について、少し詳しく調べてみました。


▮土地の評価

固定資産評価基準によって、売買実例価額を基に算定した正常売買価格を基礎として、地目別に定められた評価方法によって評価します。


地目は、宅地・農地(田・畑)、雑種地等を言い、固定資産税の評価上の地目は、登記簿上の地目に関わりなく、その年の1月1日(賦課期日)の現況の地目によります。


宅地の場合、状況の類似する地区ごとに標準宅地を選定し、その適正な時価(地価公示価格等の7割を目途)に批準して、各筆を評価します。


農地・山林の場合、状況の類似する地区ごとに、標準的な田・畑・山林を選定し、その適正な時価(その算定の基礎となる売買実例科学を宅地見込地としての要素等があればそれに相当する価額を控除した価格)に批準して各筆を評価します。ただし、市街化区域農地や宅地等への転用許可を受けた農地等については、状況が類似する宅地等の評価額を基準として求めた価額から造成費を控除した価額によって評価します。


「地価が下落しているのに、税額が上がるのはおかしいのでは?」と思う方もおられるでしょうが、土地にかかる固定資産税は、評価額が急激に上昇した場合であっても、税負担の上昇は緩やかになるよう、課税標準額を徐々に是正する負担調整措置が講じられています。


▮家屋の評価

固定資産評価基準によって、再建築価格を基礎に評価します。

※再建築価格とは、評価の対象となった家屋と同一のものを評価の時点においてその場所に新築するとした場合に必要とされる建築費をいいます。


○新築家屋の評価 評価額=再建築価格×経年減点補正率

※経年減点補正率とは、家屋の建築後の年数の経過によって生ずる損耗の状況による減価をあらわしたものです。


○新築家屋以外の家屋の評価

基準年度(3年ごと)に評価替えが行われます(次回基準年度は平成27年度です)。


家屋は年々老朽化していきますが、年数の経過と比例して必ず評価額が下がるわけではありません。建築年次の古い家屋の一部については、過去に建築費の上昇が続く中、評価額が据え置かれていたこともあって、経年原典補正率を加味した評価額であっても、以前から据え置かれている評価額を下回るまでにはいたらず、評価額が下がらないといったことがあります。


▮固定資産の価格に不服がある場合

各市町村に設置されている固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができます。この審査の結果、固定資産課税台帳に登録された価格が固定資産評価基準に照らして不適当なものであることが認められると、固定資産課税台帳に登録された価格が修正され、税額が修正されます。


なお、不服申し立ては納税通知書の交付を受けた日後60日まで、となっていますので注意が必要です。納税通知書の記載に不明点がある場合は、市町村の納税担当窓口に問い合わせすればよいです。