あかつき丸


1月12日、

フェリーさんふらわあ「さんふらわあ あいぼり」の

お別れ乗船で別府観光港に到着後

そのまま高知へ帰省しました


四国へ渡る為、

久しぶりに宇和島運輸のフェリーを利用しました


8時55分、
別府観光港 第2埠頭に入港してきたのは
宇和島運輸 あかつき丸 です

今回はこちらの船で愛媛・八幡浜港へ向かいます


2014年に「あかつき 2」を代替する形で
デビューした本船は
別府〜八幡浜航路としては10年ぶりの新造船、
「えひめ」「おおいた」の
スタイルをベースに設計されました

船体に並ぶ窓が大型化し
雰囲気にも違いが生まれました




側面からのシルエット

全長116mの中型フェリー、
旅客区画は2層のみで前方に寄せられた
スマートなシルエットです



ツインファンネルが印象的なデザイン、
中央部に有る開口部は
上部車両甲板への出入口です




港内でぐるりと旋回、
船尾側を付けて接岸しました


出港20分前となる9時29分頃に乗船、
タラップを使用した乗船です

車いすを使用される方は
タラップ横のエレベーターが使えるので
バリアフリーに対応しています

ただしその他の方は
タラップの階段を経由する必要が有り
大荷物の方は注意が必要です

先に紹介した通り
本船の旅客区画は2層構造、
2等区画を中心に1等、特等区画も有ります
エントランスに入ると客室係の方がお出迎え、
このクラスの船でお出迎えが有るのは
非常に珍しいですね

エントランスには
メイン階段横にソファーとカウンターが
有ります
約3時間の所要時間ですが売店が営業中

売店の前は自販機コーナーと食事スペースが
設置されています

売店奥には
宇和島運輸で初のうどんコーナーが有りますが
この時は営業しておらず残念、、、

ただ本船より後にデビューした
「あけぼの丸」「れいめい丸」には設置されず
現時点では唯一の設置です
旅客区画の1階を占めるのは2等カ一ペット席

両舷と中央の3つの区画に分かれています
最もエントランスに近い1区画は
スロープが付いており
バリアフリー対応となっています


旅客区画中央にはメイン階段が有り
このクラスのフェリーとしては珍しく
なかなか立派な構造です

木目調の高級感有る仕立てに
開放感のある吹き抜け構造が
オシャレで良いですね

2階の旅客区画は窓側にソファーの
ボックス席が有ります
2等カーペット席の入口には長ソファーも設置

マッサージ機も設置されていますね
2階の旅客区画もカーペット席がメイン

こちらは屋外に外部デッキが有るので
中央に1本通路を配置し
2つの区画に分かれています
カーペット席といえば
ブロック型の四角いマクラがおなじみですが
コロナ対策で撤去中で
マクラ用の棚は空っぽです

靴箱に見えるので注意書きが有ります


2階旅客区画前方は
「PREMIUM・LOUNGE」と書かれている様に
1等・特等、ラウンジ区画となり
2等客は立ち入り出来ません

3時間足らずの所要時間ですが
意外と利用客は多い様でした

ラウンジ入口に1台だけ自販機が設置されています

船内を見て回ったところで
外部デッキ周辺を見ていきます
先述の通り旅客区画2階の外側は
屋根付きの通路、デッキになっていますが
ベンチ等は有りません
2階旅客区画は
ファンネルと同じ高さに有るので
ツインファンネルと後部マストを
間近で見る事が出来ます




階段を上がると展望デッキと
ブリッジ・船員区画になります

展望デッキには
ステンレス製の簡易ベンチが並びます
展望デッキから見る
第3埠頭の「さんふらわあ あいぼり」と
「さんふらわあ くれない」

この絵が見られるのは船の上ならではでしょう
デッキの上から見ると
岸壁に「え」と「さ」の文字が入ったライン

かつて当航路で運航していた
「えひめ」と「さくら」の目安ラインですね

気が付くと出港時刻になっていました

タラップもすでに外れ、
ブリッジでは離船準備中です

オモテのホーサーを残して
少し岸壁から離した後、
最後のホーサーを外して出港

9時50分、定刻での出港です



今朝まで乗船していた
「さんふらわあ あいぼり」ともここでお別れ

船の上からならではのカッコ良いカットですが
「さんふらわあ あいぼり」は
この日がラストラン

何度も見てきた本船との最後の瞬間という事で
ちょっと寂しいです


別府一文字の赤灯台を左手に見ながら
あっという間に港外へ

ここからは別府湾をしばらく航行していきます
この日は曇り空で少し暗めの雰囲気でしたが
港外から
「さんふらわあ あいぼり」と
「さんふらわあ くれない」の
カッコ良い並びを撮影

背後には別府温泉の湯けむりが並び
別府らしい風景に仕上がりました


1時間ほど別府湾を航行し
11時頃豊後水道に入りました

よく目立つ背の高い煙突は
パンパシフィック・カッパー佐賀関製錬所の
第2煙突で高さが200m有ります

豊後水道のうち、
豊予海峡と呼ばれるこのエリアは
九州〜四国間のフェリーや
関門海峡方面や瀬戸内方面へ向かう貨物船の
往来が激しいエリアです


11時05分、佐賀関港へと向かう
国道九四フェリー「涼かぜ」と反航、
2021年1月にデビューした新しいフェリーです

奥には
臼杵港へ向かう宇和島運輸「おおいた」の姿も
見えています

大型船とのスライドは叶いませんでしたが
いくつかの船を見られて満足、
しばらく海峡の風景を楽しみます
11時11分、
早くも四国最西端の佐田岬が見えてきました

佐田岬先端には佐田岬灯台がそびえます
 


初点灯は1918年、
塔の高さは18m、
地盤を含めると海面から48.7m有ります


灯台の下に穴が多数空いていますが
大日本帝国陸軍の佐田岬砲台です

1924年より豊予海峡防備の為整備され、
一旦廃止された上で
終戦直前に本土決戦を前に再整備されました



佐田岬半島といえば
大部分で陸地から大きく離れている事から
安定して強い風が吹く為
風力発電用の風車が多数並ぶ風景も
特徴的な景観です

11時21分、別府観光港へ向かう
宇和島運輸「れいめい丸」と反航

こわまで活躍してきた「えひめ」の代替として
2022年6月23日に就航した
新造フェリーです

船体の造形を
貨客船時代のものをモチーフとしており
ファンネルの「宇」のマークも
少しデザインが変わりました

11時24分、三崎港を通過

フェリーターミナルには
国道九四フェリー「速なみ」の姿が見えます

1993年〜2008年までは
宇和島運輸でもフェリーの発着が有りました

12時08分、
臼杵港へ向かう宇和島運輸「あけぼの丸」と反航

これで宇和島運輸の僚船とは
全て反航しました

本船のみ反航に気付くのが遅れ
後ろ姿なのが残念でした
12時15分、八幡浜港が見えてきました
右手に見えるのは佐島です

この小さな島に明治から大正にかけての
20数年間、銅の精錬所が有ったそう



右手に諏訪崎を見ながら
フェリーターミナルに向けて進みます

知らないうちに
後部マストには社旗が揚がっています
短距離フェリーで入港前にわざわざ掲揚するのも
珍しいと思います
八幡浜は漁業の町ですが
愛媛らしく、みかんの栽培も盛ん

山々をみかん畑が埋めつくしている姿は
圧巻です
フェリーターミナルには
八幡浜港と臼杵港の間を結ぶ
九四オレンジフェリー「おれんじ四国」が
停泊中
12時25分、定刻で入港しました

以前来た時には工事中であった
人道橋も完成しており
バリアフリーで乗下船出来る様になりました
フェリーターミナルに隣接して見えるドックは
栗之浦ドック第二工場です

ドックなのか水産庁の船が2隻居ます
八幡浜港の旧フェリー桟橋は
まだ使用するのか
人道橋や可動橋は一応残されていますね

桟橋の奥にあったタ一ミナルビルは
解体が完了しています


今回で3度目となった宇和島運輸フェリー、
まだ「おおいた」「れいめい丸」は未乗船で
その他
九四オレンジフェリーや国道九四フェリー等
まだまだネタの有る地域です

なかなか手を伸ばしにくい地域ですが
少しずつ乗り進めていきたいです


あかつき丸


船種 フェリー

船籍 日本

所有者

宇和島運輸

鉄道建設・運輸施設整備支援機構

運用者 宇和島運輸

建造所 内海造船瀬戸田工場

信号符字 JD3639

IMO番号 9700732

MMSI番号 431005421


経歴

起工 2013年

進水 2014年2月16日

竣工 2014年5月

就航 2014年6月4日


要目

総トン数 2,565 トン

全長 116.5 m

幅 16.0 m

深さ 5.7 m

機関方式 ディーゼル

主機関 ダイハツディーゼル 2基

推進器

可変ピッチプロペラ 2軸


バウスラスタ 2基


航海速力 20.2ノット


旅客定員 586名

車両搭載数 乗用車145台