フェリー あい

2020年10月14日に
予定も無かったので
徳島へ高速バスで向かい
徳島港から南海フェリーのフェリーに
乗船してきました

今回の目的は南海フェリーの
新造フェリーを利用する為です

新造フェリーといっても
すでに就役から10ヶ月、
和歌山も徳島も遠いので
わざわざ行く事も無く
ようやく新造船の利用です






入港時刻が近付き外を見ていると
ゆっくりと入港して来ました

ネイビーカラーのデザインを
取り入れたインパクトの有るデザイン、
就役から10ヶ月経っているので
船体に錆も出ていて
ピカピカとは言えない姿です

船体サイズも旧船とほぼ同一なので
なんだか見慣れた感じがしますね

入港して来ても
なかなか乗船開始とはなりません、
出港10分前くらいになって
ようやく乗船改札が始まりました

船内に入ると
まずは急いで客室内の様子を
見ていきます
まずは中距離航路では
標準的装備である
じゅうたん席です

南海フェリーではじゅうたん席も
しっかりとスペースが確保されていて
A、B、C、D、E、Fと
6つの区画に分かれています

その内B区画は女性専用席、
E区画はバリアフリー席、
F区画は少し離れた後方の個室型区画です
じゅうたん席の前方には
ソファ席が有ります


客室最前列はイス席となっています

ひじ掛けの部分に
ボタンが付いているので、
リクライニングの出来るイスの様です

背面テーブルは付いていませんが、
ドリンクホルダーは付いています

前面展望ではなく、
船らしい丸窓が並んで付いています
イス席区画の後方の階段を上がると
グリーン室に上がれますが、
こちらは特別料金が必要です

前面展望室なので、
いつか利用してみたいですね
グリーン室へ上がる階段の下は
荷物入れとなっています
旅客区画中央部の
テーブル席の区画です

旧船では片側をテーブル区画、
残りの区画をイス席区画としていましたが
本船では
1区画丸ごとテーブル席となりました

本船の中で最も混雑するスペースで
乗船開始直後から
かなりの人の数が有りました
ビジネススペースも完備しています

照明とコンセントが
各席に備えられています、
当航路がどれくらい
ビジネス利用されているか不明ですが
ありがたい設備です
テーブル区画の隅には
売店・案内所が有ります

売店営業は
新型コロナウイルスの影響により
各港停泊中のみの非常に短かい時間に
変更されているので
注意が必要です
これまで
キャラクターグッズは有りましたが
船のグッズも少し発売された様です

次回乗船時に購入したいですね
両舷窓側にはカウンタ一席も有ります

コンセントも各席に有るので
海を眺めながら過ごすには
とても良い場所です
客室後方はトイレや
ドライバールームがまとめられた区画
先述したじゅうたん席のF区画は
この場所に有ります
所用2時間の航路ですが
ドライバールームも完備しています

ドライバール一ム内には
シャワー室も完備、
最近はコロナの影響も有って
トラックドライバーが使えるシャワー室が
あちこちで休止になっている様なので
ありがたい設備でしょう

トイレの案内表示に
阿波踊りのデザインが入っているのも
面白いですね

男踊りと女踊りと
それぞれデザインも異なっていますよ

通路には本船の
オリジナルデザインのマークが入っています

本船の船名、「あい」は
I = 私、愛、藍の3つの意味が有るそうです
徳島の藍染めの展示も行われています
旧船では外部デッキに
喫煙場所が有りましたが、
本船では喫煙専用室が
客室最後尾に設置されました

後部Aデッキに出ました


展望デッキの床を屋根にして
下にはプラスチックベンチ、
プラスチックの
テーブル席が並んでいます

旧船には風除けの
アクリル板が設置されていましたが、
本船には無い為
海上を航行中は風が抜けていくので
強風時は長時間居るのは
ちょっと難しいですよ
Aデッキの後部には
舵輪をモチーフにした
モニュメントも有ります


A甲板から1段下がると
乗下船口が有ります

乗下船時は
ボーディングブリッジと接続しますが
客室出口から少し距離が有るので
雨天の際に雨に当たらない様に
屋根が付いているのが特徴的です


A甲板を1つ上がると展望デッキに出ます

展望デッキというだけあって
ブリッジと同じ高さで
見張らしも良いですね

後方にはファンネルと
アンチローリングタンクが有り
迫力が有ります

アンチローリングタンクは
ファンネルにタンクも
組み込まれているので
外側から見ると
ファンネルがずいぶんと
大きく見えます

出港時間となった為、
そのまま出港作業を見ていきます

南海フェリーでは
自動係船装置が離岸作業を支援します

出港時は危険なホーサーに
係員が近付かなくても
装置がパコンと動いて
ホーサーが離されます



定刻の13時25分、徳島港を出港です

徳島港では入船の右舷接岸なので
まずは岸壁から少し離れた後
ぐるりと方向転換をしていきます
徳島港を出港していく際、
建設中の四国横断自動車道の下を
通過していきます

海上の部分は
「新町川橋」として架橋されますが
この時はまだ架橋が行われていません

福岡県 若松区の日鉄鋼構造?、
長崎の三菱重工業 長崎造船所、
香川県 多度津市の川田重工?、
大阪府 堺市のIHI?で
4分割建造・架橋されており
残すは多度津製のブロックのみです

次に乗る時は
橋の下をくぐる事になりますね

出港時には
東沖洲のオーシャン東九フェリーの前も
通過していきます

午前中に入るのは東航船、
午後に居るのは西航船で
これから福岡へ向かう船です

「フェリー どうご」が着岸中、
本船にも乗ってみたいです

少し左に転針して
港内を出ていきます

港内を出ると
少し波も高くなってきましたが、
船が揺れるという事は有りません


特に大型船が走っている訳でもないので
潮風に当たりながら海を眺めていると
鳴門海峡から
見慣れない旅客船が出てきました

なんと
壱岐・対馬フェリーの
貨物フェリーの「みかさ」で
とても珍しい姿が見えました
石巻に向かっていた様です


14時38分、
僚船の「フェリー かつらぎ」と反航しました

こちらもそろそろ代替計画を
立てたいところですが、
まだ計画は進んでいないそう


紀淡海峡のメイン航路を横断していると
さすがに船の姿も
いくつか見えてきます

航路に従って
1列になって航行している姿は
なかなか迫力が有ります

SEATRAN FERRY 12(元 第八おりいぶ丸)
SEATRAN FERRY 14(第一しょうどしま丸)

紀淡海峡通過中には
かなり遠く豆粒にしか見えませんが、
タイへ向けて回航されていく
元 四国フェリーのフェリーの姿を
見る事が出来ました

この後、「SEATRAN FERRY 12」が
あんな事になってしまうとは
この時は思ってもいませんでした
製鉄所が見えてくると、
和歌山港は目の前です

沖泊しているバルカーも
間近に見る事が出来るのは
本航路の楽しみの1つです

日本製鉄 和歌山製鉄所は
2020年4月より
日本製鉄 関西製鉄所 和歌山地区と
なっています



左手に製鉄所、
右手にコンテナターミナルを見ながら
ゆっくりと港内へと入っていきます
港内に入港後は
ぐるりと方向転換していきます

和歌山港では出船着け、
左舷着けとなります

和歌山港は今では非常に珍しくなった
鉄道連絡が有る港として有名です

奥に見える南海電鉄の和歌山港駅とは
連絡橋で直結しており、
ダイヤも船の入出港に合わせて
構成されています
定刻の15時40分に着岸、
下船となりました
ありがとうございました

南海フェリーとしては
20年振りとなる
新造フェリーの投入となりました
思い出の
「フェリー つるぎ」を代替したので
寂しくはありますが、
やっぱり新しい船は良いですね

船の大きさとしては
それほど大きくはないものの
様々な工夫が結め込まれていて
とても楽しむ事が出来ました

新型コロナウイルスの影響も有りますが、
多くの方に乗って頂いて
永く愛される船となって欲しいです

フェリー あい

竣工 2019年12月3日

就航 12月15日就航


総トン数 2,825トン

全長 108.00m

幅 17.50m


出力4,600ps×2基

航海速力 21.46ノット


旅客定員427名

車両積載数 8トントラック換算37台


建造 サノヤス造船水島造船所