現在、2歳の息子、甘えんぼ将軍。

2歳6ヶ月で、自閉症スペクトラムの診断を受けました。2歳1ヶ月から、療育に通っています。


これは、昨年、保育園を探していたときの話です。


見学の続きです!



 

3件目:私立の保育園←こちらの保育園に入園決定しました!

・私の職場の近く、徒歩3分くらい

・給食に力を入れていて、市場や契約農家から食材を仕入れる等している

・アプリで欠席連絡、園からの連絡等できる

・年長さんは、近所のスイミングスクールに通える(任意)

・年中さん以降、英会話や日本舞踊等もあり

・お盆休みあり

・お寺の保育園

私は、こちらの保育園を第一希望として、申し込みました。

決め手は、対応してくださった副園長先生です。

何より、信用できる、この先生のいる保育園に預けたい!と思ったからです。



見学の話に戻ります。


電話で見学の予約をしたとき、療育に通っていることを伝え忘れていました…


嫌がられたらどうしよう…とドキドキしながら保育園に行きました。



門から、ガラス張りの建物の教室の中に、子供たちと保育士さんが集まって歌っているのが見えました。

建物は、比較的新しく、木目調の内装で、とても明るくきれいでした。



門を入ると、甘えんぼ将軍が拒否反応を発動しました。


保育園見学で、初の騒ぎです。

「いやーーーー」

と言って、私の手を引っ張って、門の方へ行こうとしました。


それでも、なんとか、玄関に入りました。

といっても、ガラス張りの玄関を入ると、そのまま教室になっていますので、皆が歌っているのがずっと見えている状態です…


このとき、甘えんぼ将軍は、

怒り「あーあーあー!!(帰ろう!!)」

と大騒ぎです。


靴を脱がせても、私が靴を脱いで中に上がっても。

自分と私の靴を持って、私の手を引っ張って、帰ろうと必死です。


そうこうしていると、歌の時間が終わりました。

私たちに気づいた数人の子が近づいてきて、「おいで」「おいで」と甘えんぼ将軍を誘ってくれます。


最初は、他の子たちから逃げ回っていた甘えんぼ将軍でしたが、

先生たちが色々なおもちゃを出して、ほかの子たちが自由に遊び始めると…


甘えんぼ将軍も落ち着いてきて、自分の好きなおもちゃのところに行って遊び始めました。


しばらく遊んで待っていると、

今回、対応してくださる副園長先生が来てくださいました。

おそらく40歳前後(30代かも)の女性の先生です。


別室に移動しましょう、と言われたとき。

私は、それまで甘えんぼ将軍が遊んでいた動物のおもちゃを2つ持って行こうとしてしまいました。さらに、甘えんぼ将軍も、1つ手に持っていました。

さっきまで、機嫌が悪くて、気に入った動物のおもちゃでニコニコになっていたので、つい、一緒に持って行こうとしてしまいました…



凝視副園長

「なんでそんなに持って行くんですか?なんで?」

少し怒られました。


真顔

「すみません。この子がこの3つで遊んでいたので。置いていきます。」


凝視副園長

「そうですね、おもちゃは置いていきましょう。」


甘えんぼ将軍も連れて、別室に行きました。

この日の見学は、私だけで、保育園についての説明を聞いていました。


しかし…


甘えんぼ将軍は、やはり、また、不機嫌になり、

怒り「あー!あー!(帰ろう!)」

と私の荷物を持ち、私の手を引っ張ります。


途中、副園長先生がおもちゃを持ってきてくれて。

私も、家から持ってきたお気に入りの絵本を出して…


私が少しかまうと、少し収まるものの、またすぐ騒ぎます…

その繰り返しです。


そして。

噛みつきが始まりました…


私の指、腕、太ももに噛みつきます。

しかも、噛みついたまま、なかなか離しません…


一通りの説明は終わったところで。


甘えんぼ将軍が療育に通っていることを伝えました。


凝視副園長先生

「あ、そうなんですね」


真顔

「こちらの保育園には、療育に通っているお子さんはいますか?」


凝視副園長先生

「たくさんいますよ。

どちらの事業所に通っているんですか?」


真顔

「A事業所とB事業所です」


凝視副園長先生

「今、B事業所の子はお預かりしています。今はいないけど、昨年はA事業所の子もいました。


こんなこというと、失礼かもしれないけど。

説明しながら、お子さんの様子を見てましたけど、言葉は出てこないけど、お母さんの言っていることは、けっこう理解できていますね。」


真顔

「うーん…簡単なことなら、わかると思います。

かなり言葉が遅くて受診したら、まだ診断はないんですけど、自閉症スペクトラムを指摘されています。」


凝視副園長先生

「そうですか、早く気づいて、支援に繋げられているのは良いことだと思いますよ」



このあと、一緒に園内を見ました。


最初に行ったガラス張りの建物は、0~2歳の子の教室でした。

0~2歳児が1つのクラスになっているそうで、けっこう広いスペース(遊ぶ、お昼寝)と、食事スペース、和室がありました。


もう1つすぐ隣にある建物は、3~5歳児クラスで、それぞれの年齢別の教室と広いお部屋、給食室などがありました。


この日は、雨が降っていて、3~5歳児の子は広いお部屋でそれぞれ遊んでいました。


園内を見学中、甘えんぼ将軍は、私にずっと抱っこで、しがみついていました…

少し下ろそうとするだけで、騒ぎ出して噛みついてきました。


でも。

この3~5歳児クラスで、たくさんの子が遊んでいるのを見ると、自ら抱っこから下りて、ブロックで遊んでいるグループに入って遊び始めました。



その後、甘えんぼ将軍と同じ年の子のいる0~2歳児クラスへ戻りました。


凝視副園長先生

「今、1番大変なこと、困っていることはなんですか?」


真顔

「噛みつきです。

とにかく、毎日、ちょっと嫌なことがあれば噛みつくし、噛んだら離してくれません…

療育の先生にも噛みついていて。

A事業所では、そこまで気にならないみたいですが、B事業所では酷いみたいなんです…」


凝視副園長先生

「確かに、けっこう噛みつきが激しいなと思っていました。


でも、噛みつく子ってかなり多いんです。

これは、発達の仕方にかかわらずです。

それに、言葉が出なくて噛みつく子って、言葉が出てくれば噛まなくなることが多いですから、そんなに心配はいらないと思います。


どちらかというと、年中さん、年長さんになってから、他の子を叩いたり蹴ったり、物を投げつけたり、髪を引っ張ったり暴力的になる子がいて、私はそっちの方が心配です。」


真顔

「なるほど…。噛みつく以外は、癇癪もほとんどないし…。偏食もないし、パニックを起こしたこともないんです。

あ、でも、療育では、食事も水分も取れないんです。」


凝視副園長先生

「療育ってお弁当ですよね?外食が苦手なんですか?」


真顔

「いえ、外食も大丈夫です。まあ外食って言っても、ファミレスとフードコートくらいなんですけど、問題なく食べられます。大人しく待ってられるし、よく食べます。」


凝視副園長先生

「まだ通い始めたばかりですし、慣れていないだけかもしれませんね。


1人で外に出ようしたり、手を繋いでいても、振り払って走り出したりすることはないですか?」


真顔

「今のところはないです。

というのも、見ての通り、ずっと、抱っこなんです。

たまに歩くときは、手を繋いで歩けますけど…ほぼ抱っこで…

自閉症とADHDはよく併発するようなので、今後、積極的に歩くようになれば、どうなるかわからないです…走り出してしまうかもしれません…」


凝視副園長先生

「私は、保育園として、お子さんをお預かりする上で、身の安全を守ることが1番大事なことだと考えています。


もし、ほんの少し目が離れたすきに、窓の鍵を開けて外に出てしまうとか散歩中に道路に飛び出すとか、大きなけがや事故は絶対にあってはいけません。

だから、1番気になるところはその点です。


もちろん、噛みつきも心配ではありますが、1番ではないですね。


それと、今後どうなるかわからないのは、皆おなじです。

甘えんぼ将軍くんだけじゃないですからね。

この子たちだって(その教室にいる0~2歳の子を見ながら)定型発達だと思われていますけど、まだ気づいていないだけかもしれません。


それに、定型でもそうでなくても、子供は絶対に成長します。これは間違いありません。発達の仕方が違うだけ。

定型発達かそうでないかだけで、どう成長して、どんな人間になるのかなんて、わかりません。

関係ないんです。


ところで…


甘えんぼ将軍くんを、抱っこしたいんですけど、嫌がりますかね?」



私と副園長先生が話している間も、甘えんぼ将軍は、途中で「あーあー」「うぅーー」とか言って、噛みつくことが何度も何度もありました…


なのに、抱っこしたいだなんて。

驚いてしまいました。


真顔

「今、機嫌が悪いから、噛むかもしれません…」


凝視副園長先生

「私が噛まれるのは全然かまいません」


そう言って、両手を広げてくれたので、甘えんぼ将軍を副園長先生に預けました。


副園長先生は、甘えんぼ将軍を抱っこすると、

「抱っこさせてくれたね、ありがとう」

等と話しかけてくれました。


甘えんぼ将軍も、噛みつくことはなく、抱っこされていました。



見学を終えて、玄関から帰ろうとしたとき。

最後にこう、声をかけてくれました。


凝視副園長先生

「私、思うんですけど。

このくらいの年齢の子の癇癪とか偏食とかって…

それは育て方の問題ではないとは思うんです。


でも、甘えんぼ将軍くんが、ふだん、癇癪やパニックを起こさず、穏やかに過ごせているというのは、きっと、お母さんの育て方がこの子に合っているからだと思います。

お母さんを信頼できている、良い親子関係が築けていると思います。」



こう言ってもらえたことは、本当に嬉しかったです。

できれば、この方のいる保育園に預けたいと思いました。


こうして、3件目の見学も終わりました。