こんにちは。久しぶりのブログです。
新年~十日えびす大祭~節分も無事終わり、私にもようやく新しい年を迎えたという感覚がでてきました。
これから、夏祭までは、神社の外での講演やイベントにエネルギーを向けます。
またいろんなイベントの御案内しますので、ご参加くださいね。
建国記念日。 朝、社務所前に清々しい気持ちで国旗を掲げました。
2月11日(太陽暦の一に換算)は、初代天皇とされる神武天皇の即位の日です。
神武天皇といえば、古事記「神代の巻」の最後に、神々から人間として誕生するカンヤマトイワレヒコノミコト。
彼が誕生するまで~神武東征の物語は、私にとって、「文化交流」と「成長」を考えさせられるちょっと好きな箇所なんです。
まず、神武天皇のおじいちゃんは、「海幸・山幸物語」のメインアクター、「山幸彦」。
兄の海幸彦と弟の山幸彦はその名のとおり、得意テリトリーを「山」と「海」としています。
ある日、弟・山幸彦(以下、「彦」省略)から「な~、兄ちゃん、道具交換しようや。」と結構わがままなアプローチがあり、弓矢と釣具を交換させられます。
(私が住職になってみるくらいのチャレンジかな)
好奇心だけではうまくいくはずがなく、、もとの道具に戻すのですが、山幸が借りた釣竿に釣り針がついてない。
海幸は「どこに落としたんじゃ?ゆるさん!」と意地悪を言って、山幸を追い詰めたのです。
ここから話は浦島太郎風に進展していくのですが、私が「おや?」と思うのは、ここで「お互いの道具交換をする意味」なのです。
これって「異文化交流」まさに「Cultural Exchange」ではないかなと思うのです。
異文化交流。はじめはキラキラしたものだと思って、知識ないまま関わりを持つと対立さえも起こってしまうという困難な流れが描かれているのです。
そして、山幸は調子に乗っちゃって、海の中の女神・トヨタマ姫さまと結婚するのですが、これは今で言う「国際結婚」ではないかな、と。
トヨタマ姫さまは、子供を身ごもり、出産の為に地上に来られます。
ここで、またもや、登場、「見るなの法則」です。「私が出産をする時は決して見ないでください」
はい、物語でこの法則、守られたことはありませんね。「見るな」と来たら「見る」んです。
山幸が見た出産時のトヨタマヒメさまのお姿は「サメ」。
「山幸さま、さようなら~」 「ひめ~!!!!」という流れで物語は終を迎えます。
異質なものを受け入れる、異質なものを見て、その違いを乗り越える時、「新」が生まれる。
私の経験からも断言できることですが、古事記には「生」がふんだんに描かれています。
神社神道の世界がまさにそのものなんです。
ここは、日本文化の変遷を読み取ることもできる物語のひとつです。
海と山の神様の子供として生まれたのが「ウガヤフキアエズ」さま。農耕神がルーツのお名前ですね。
そして、海神さまの娘である「タマヨリヒメ」さまと結婚してお生まれたになったのが
神武天皇です。海山のダブルカルチャーであります。
記紀を読むと、神代の巻の時にはすでに「グローバル化」は始まっていることに気づかされます。
日本は「寛容さ」を背景に発展してきたと思われます。
人間が持っているエネルギーは自分にあったしっくりした環境で発揮します。「旬」になるんです。
物語は続き、神武天皇の東征と移ります。ここも楽しいです。
大好きなのが、神武天皇の名前が頻繁に変わっていく意味。次回はここに着目して通過儀礼を説明したいと思います。