不登校は心の病か?
不登校は心の病か?
これは半分賛成だし半分反対.事実を一面しか見ていない.
黒人の多くは犯罪者だ
これを言ったら差別だろう.
統計的には黒人成年男性の3人に一人が生涯に一度以上収監される.
だから,白人より黒人の方が比較的犯罪を犯しやすい.
これは統計上は正しいかもしれない.
しかし,これは黒人からしたら差別だ.
肌の色だけで判断されてしまう.
不登校児は心の病を負っている人が多い.
これは統計的な真実だろうし,実際に精神科医に診てもらって改善する例もあるだろう.
しかしこれは一面的なものの見方にすぎない.
不登校児の全てが心の病なわけではない.
健全な心を持った不登校児もいるはずだ.
そしてそういう不登校児はいてよいはずだ.増えてよいはずだ.
学校という組織に信用をしないで学校教育とは別の道を選ぶ自由は持ってよいはずだ.
刑務所に入れられて看守か囚人に殴られてケガをした
としよう.
彼は傷害を負った.
これは事実だ.
刑務所内で暴行を受けて病室に運ばれた彼は体に傷害を負った.
これは事実だ.
医師に診てもらって治療しよう.
これも正しい.
治療したら治った.
これも正しい.
さあ,もう一度,彼を同じ刑務所に入れよう.同じ看守の同じ囚人のいる刑務所に.
これは正しいのか?
上のニュースから引用:
【Q】治療を受ければ不登校は治る?
【A】軽いうつ病や不安障害なら投薬治療ですぐに症状が解決する場合もありますが、特に発達障害がベースにある場合は、ストレス耐性そのものが非常に低く、一つの病気がよくなってもすぐに別の病気を発症することも多く、すぐに治すのは難しいです。ただし薬によって症状を安定させることは可能で、私が診察した130人ほとんどが以前より改善。そのうち10%程度は通常通り登校できています。
登校”できている”というところが引っかかる.登校できるが登校しないというケースは考慮外か?
登校できていることと心の病が治ったことはまた別の話だろう.
心の病が治っても,正常な判断が出来ていれば,人権侵害の温床である学校へ行かないという判断をしてもよい.
まあ改善した子のうち90%は学校・行政の駄目さ加減を正当に評価できたということか?
【Q】怠け心などが原因とする大人もいるが?
【A】もちろん、いじめやその他の人間関係が原因の不登校も多くあると思います。しかしそれらの問題が解決ないし軽減されても、また別の理由を出してきて登校できないのなら、精神疾患が潜んでいる可能性が高いです。
うーん.虐めが解決しても,また新たな虐めがいつか発生する可能性はあるよね?虐めは学校の構造上不可避だと思っている.長期間広域的に存在することは構造的問題に起因する.なんで当面の虐めが解決・軽減したら,また新たな虐めが発生する可能性はもう無いと判断するのか?今は学制公布150年前とは違って,学校外で勉強する機会なんていくらでもある.
たまに見させていただくブログ.
上のブログ記事を読んだ.同感だ.
不登校になった人が心の病なのではなく,
心の病になったから不登校になったのだ.
学校には,心の病になるような,そんなひどい状況がある
ということだ.
心の病を治ったら不登校が治る?
え?
自分を殴り倒した奴が学校にいるのに,
怪我が治ったからって,
同じ学校に行って,暴行働いた奴とまた一緒に暮らせと?
それって馬鹿じゃない?
学校が酷いという事を学んだわけだ.
不登校は正しい判断だ.
怪我が治っても心の病気が治っても,もはや学校へ行かないことがベストだろう.
不登校自体は問題ではないのだ.
学校が問題なのだ.
社会集団に対する抵抗感をなくす
というのは横柄な話だ.社会集団が信用できるところか否かを判断するのは国ではなく個人である.
学校が信頼を取り戻す
ためには生徒個人に働きかけるのではなく,学校自体が変わって判断してもらうことが大切だ.
私の考えはこうだ.社会は冷たいし温かい.それは正しく判断するべきだ.各個人が.しかし子供が自分の意志とは無関係に放り込まれる学校という組織がたいへん無責任な集団なのだ.刑務所と同じ構造で150年前にできた大変古い構造.そこで社会や集団への信用が失われ,それ学校卒業後にも引きずる.
ニュース記事の医師の言い分も分からないではないけれど,ちょっと考えが古いと思う.そしてこれが社会的圧力になって差別を生むと思う.
(過去記事1)で諏訪哲二氏を上げて議論した,
学校を出なければ一人前とみなさない
という社会圧が差別を生む.能力や人格を正当に評価しない窮屈で多様性のない社会だ.
このような社会圧が,
精神的に大変なことがおきて耐えきれなくなるぎりぎりまで登校し続ける
行動を起こす.イコール不登校児は大変な精神疾患をこうむることになる.
もっと気安く不登校児になれる社会こそ正しい多様性のある社会だ.
(過去記事1)
(過去記事2)