分数の割り算はなぜひっくり返すのか?

 

 

分数同士の掛け算を分かっている長女に
分数で割り算をするときは何故分母と分子をひっくり返すのか
聞かれた。
 
その答えが以下。
——————
●÷(▲/◼️)
=(●÷(▲/◼️))*1
=(●÷(▲/◼️))*((▲/◼️)*(◼️/▲))
=((●÷(▲/◼️))*(▲/◼️))*(◼️/▲)
=●*(◼️/▲)
 
よって
●÷(▲/◼️) =●*(◼️/▲)
が示された。
—————
使っているのは
(1)割り算は掛け算の逆算であるということ
(A÷B)*B=A (最後の等号)
および
(2)分数同士の掛け算
(▲/◼️)*(◼️/▲)=1(二番目の等号)
 
(厳密に言えば三番目の等号で掛け算の結合則 a*(b*c)=(a*b)*c. でもこれは小学生には言わずにしらっと使う手もある)
 
上の説明で長女は一発で分かってくれた。よかった。
 
ネットで調べてみたら、検索上位で以下が出てくるけれどいろいろ書いててかえって読みにくいと思ったので、ここに書きました。
 

 

 

 

 

 

検索最上位である上のサイトは沢山アンサーが来ているがどれも要領を得ていない。

 

https://www.zkai.co.jp/saponavi/el/series/35982/

 

 

上のサイトも検索上位ですが、相談者の質問である、なぜひっくり返すのか、に あまりまともに答えてくれていません。

 

 

 

 

下のサイトの”その一”が今回のものに近い。➗を/に置き換えるところが不要。そこでつまづく子はいると思う。

 

 

 

下のサイトの”1のルール”も上の”その一”と同じ(と思ってよく見たら著者が同じ人だった.)

 

 こういうのはたまたまそこに居合わせた教員に聞くより、ネットで調べて沢山ある中で一番わかり易い説明で納得した方が早い。

 

 引き算は足し算の逆算であり
(a-b)+b=(a+b)-b=a
 割り算は掛け算の逆算である
(a÷b)*b=(a*b)÷b=a. (b<>0)
これが引き算割り算の定義の全てである。
この法則だけで上手くいく。(大学で群論環論を習得した人にはすぐ納得してもらえると思う)
 
 上の論理的やり方とは別に直感的な説明もある。ピザを均等分したイメージで説明する方法だが、まわりくどい。論理で納得するタイプではなく、すでに知っているモデルに類推して直感的に把握するタイプは、いずれ算数か数学につまづくことになる。数の概念は拡張され、複素数で割るとか、行列で割るとかいう概念が高校で出てくる。実は複素数が1800年ごろまでなかなか認められ無かったのは、まだ数学者の中に直観派がいたからだ。ガウスは複素平面という図で複素数の演算を直感的に説明する方法を思いついて複素数が市民権を得ることになる。でも数の概念はその後いくらでも拡張できるが、直感など必要ない。日常生活に馴染みあるモデルに類推できるものに限っていたら数の概念が広がらず便利な思考ツールが出来上がらない。