昨日2024年2月8日木曜,藤井聡太8冠が王将戦7番勝負を4局ストレート勝ちし,王将3連覇となった.
タイトル戦20戦連続勝利だそうだ.
2023年10月11日水曜,藤井聡太7冠が王座を獲得し,8冠になった日の翌日に(過去記事1)で,一年後8冠を保持している確率は半々だと書いた.羽生善治7冠が全7冠保持できたのは167日だった.約5.5か月,半年未満だ.
あれからだいぶレーティングが変わった.藤井聡太とそれ以外の棋士のレートが離れた.
2024年2月8日現在のトップ5棋士のレート(一回,五番勝負,七盤勝負の勝率)は次になる.
1藤井聡太竜王名人 2133
2永瀬拓矢九段 1902 79% 93% 96%
3伊藤匠7段 1884 81% 95% 97%
4羽生善治9段 1850 84% 97% 98%
5菅井竜也8段 1839 84% 97% 99%
6豊島将之9段 1826 85% 98% 99%
7佐藤天彦7段 1817 86% 98% 99%
8八代弥7段 1812 86% 98% 99%
9渡辺明9段 1808 87% 98% 99%
10広瀬章人9段 1807 87% 98% 99%
2023年10月12日の時点では
1藤井聡太 2105
2永瀬拓矢 1925
だったのでレート差180から231へ増えた.
それで計算しなおしてみる.
誰が挑戦者になるか分からないが仮に2.5位の棋士が上がってくるとして,8タイトルのうち半分が7番勝負,もう半分が5番勝負なので,藤井の勝率を
(93+95+96+97)/2=95.25%
として,
0.9525^x<0.5
を解くと,
x>14.2432
つまり15連覇する確率は5割未満(48.2%)だ.
14.2432/8=1.7804
だから,あと1.7年(1年9.4か月)8冠もつ確率は5割だ.
2024年2月から1年9か月先なら,2026年11月だ.
さて実際にはどうなるか.
たぶん2026年10月でまだ8冠保持できていたとすれば,レート差はもっと開いているだろうから,ある日突然8冠から陥落という事になるだろう.だから予想はあくまで予想だ.
10月から2月で
伊藤匠 1851->1884
と伸びているから,若い棋士のレートはまだ過小評価されている可能性が高い.
上のトップ10人の棋士で藤井聡太より若い棋士はいない.唯一伊藤匠だけが同学年で3か月年長.
藤井聡太は前年同月比で,一年間にレートが47上がっているが,これは全棋士中20位で,
一番伸びたのは
25藤本渚4段(18歳)191ポイント増 1546ー>1737
だ.
実は伊藤匠はこの一年間で91ポイント伸びているので,藤井聡太よりポイントは上げているが,
10月から藤井聡太とのタイトル戦で負けてレートの伸びが悪くなっている.
さきのレーティングの表を見ればわかるが,
藤井が
103位中村亮介六段38歳C2(1531)
以下のレートの棋士に勝っても,レートは変わらない.
レート差が600もあれば勝って当然とされるわけだ.
逆に藤井が負けると,藤井のレートから16ポイント差し引かれ,中村のレートに16ポイント加算される.
そもそもイロレーティングは1500を基準に1000-2000の範囲に全プレイヤーがが入るように設定されているので,藤井の2133は規格外の強さと言える.
(過去記事1)