上の動画(12分30秒)を見た.

これは下の記事を引用して論じている.

 

 

この記事の概略:市立小学校の支援級の教諭が次年度から4名から3名になることを受けて,その学校支援級に通っていた子に対し,教諭の数の多い特別支援学校に転校するように,小学校がその子の保護者へ(保護者と面談できない時期に)手紙で伝えた.市教育委員会は,手紙の表現が適切でなかったことと直接会って保護者の意向を確認しながら勧めるべきだったとコメント.

 

これに対してKaienの方の意見を私なりの解釈で述べる:小学校側に同情的.手紙はかなり誠意をもって書かれている.むしろこれを北海道新聞が独自記事としてすっぱ抜くことの有効性に疑問.(正確には上の動画を確認してください.)

 

これに対して私の感想を書きます.

 

これって組織の歪みだと思う.責任の所在があいまい.

 

昔第二次世界大戦で,多くのユダヤ人が虐殺された.誰が悪いのか?(括弧内は1941.8時点の年齢)

・総統ヒットラー(1889.4-1945.4, 52歳)か?

・(ホロコースト最高司令官)大ドイツ国国家元帥ゲーリング(1893.1-1946.10,48歳)か?

・ゲーリング署名の委任文書(ユダヤ人問題の最終解決)を作成した国家保安本部か?

・(国家保安本部長官であり,その委任文書の権限に基づきユダヤ人絶滅会議を主宰し,移動殺人部隊アインザッツグルッペンを組織した)ハイドリヒ(1904.3-1942.6,37歳)か?

・ゲシュタポ局長としてホロコースト主導のミュラー(1900.4-1945.5?, 41歳)か?

・(ゲシュタポ・ユダヤ人課課長としてユダヤ人を絶滅収容所へ列車移送する最高責任者であり,”500万人のユダヤ人を運んだ”と自慢した)アイヒマン(1906.3-1962.6, 35歳)か?

・アイヒマンのもとに集められた精鋭の部下たち・特別出動部隊メンバーか?

 

 

アイヒマンのドキュメンタリー映画のタイトルはスペシャリスト!

 

 

 悪事は凡庸な人の連鎖で起こる.

 

 今回の北海道新聞の記事の件では,市の教育予算が削られ,そのために市教育委員会が,当該市立小学校の支援級の教諭数を減らし,そこで小学校が生徒の保護者へ支援学校へ行けと手紙を書いた.

 

 調べてみると,札幌市内の支援学校で小学部を持つものは3校あり,3つとも市立なのだ.

 それであれば話は早い.

 生徒の保護者へ手紙を出すべきなのは支援級を持つ市立小学校ではなかった.市教育委員会で話し合い,市立支援学校から,

どうぞこちらへお越しください

と出すべきだった.あるいは支援学校ではなく,市教育委員会から.あるいはその上の市長からでもよい.市の予算の決定権者代表である市議会議長でもよい.

 

 市立小学校の方から,

あっちへいけ

と言われたら,そりゃ傷つくだろう.

 

市教育委員会が主導となって,市立小学校と市立支援学校らと話し合って,その結果,支援学校がベストという結論がでたのなら,市教育委員会または支援学校側から生徒の保護者へ話を(手紙にしろ対面にしろ)持っていくべきだったのだ.

 

 市教育委員会は,

手紙の表現

とか

直接会って話すべきだった

とか,そちらを気に留めているが,大事なのはそこではない市教育委員会(かその上)が,自分がやるべき仕事を放棄して,現場の小学校に丸投げしているところが問題なのだ.

 

 上の者は責任を自覚してとるべき.部下の中間管理職に責任をなすりつけるべきではない.何か事件が発生すると,いやそこまで無理をしろとは命じてなかったと中間管理職を処罰し,事件にまで問題が大きくならなければ,その中間管理職を徴用する.それって,

悪質訪問セールスマンを雇用している悪徳商社とやってることは一緒

下っ端鉄砲玉に犯罪やらせるように忖度させてるヤクザ上層部と一緒.

 

 子供の学ぶ権利を保障するのは市でありその上の国である.小学校と支援学校など学校間をまたぐような話の場合は猶更である.

 

 Kaienの方は報道があること自体に疑問だったようだが,私には,こういった議論に気づかせてくれた意味で,今回の北海道新聞の記事は意味があったと思える.


Kaienにも普段勉強させてもらい感謝してます。私なりの一意見を言っただけでKaienさんに楯突いてるわけじゃない。