今ここに公認心理師のテキストがある.
心理教科書 公認心理師 完全合格テキスト 第2版
全部で620ページ.157節あり,それが24章に分かれてあり,さらに3部に分かれている.
第一部心理士の基本(第1-3章,第1-6節)
第二部心理学基礎編(第4-13章,第7-71節)
第三部応用実践編(第14-24章,第72-157節)
たしかにこの本を読むと,心理士になるために為になることはいろいろ書いてある.心構えや法律や人体の構造など.たしかにこれを全部読んでから心理士と向き合えば,素人質問せずにいきなり本題に入れる.しかし,本題に入ってからの話は何もない.
障害者(児)の支援
は,第70節にあたる.たった4ページだ.
そこでは
・療育
・特別支援教育
・就労支援
・ソーシャルスキルトレーニング
・応用行動分析
・TEACCH
・認知行動療法
・ペアレントトレーニング
・ペアレントメンター
の用語の説明がそれぞれ5-9行程度で書かれているだけ.
自閉症の用語は索引によると2回しか出てきてない.(p253,308)
一回目も二回目もはTEACCHが自閉症向けであることだけ.自閉症の説明すら無い.
自閉スペクトラム症・自閉症スペクトラム障害は,5回(p139,237,238,251,567).
一回目は,ディスレクシアにASDが併存すること.
二回目は,6行かけてASDの特徴を書いている.(対人関係・こだわり・常同運動など)
三回目は,DSM-5でASDが定義されていることだけ.
4回目は,ASDの説明を1行半で書いている.(二回目の6行を1.5行にしただけ)
5回目は,23行でASDの説明.ここが一番詳しい.でもたった23行,そして最後の3行は,薬物療法や心理療法の有効性が未確立,との記述.
とまあ,こんな感じです.行政は専門家として公認心理師に丸投げするし,この資格を取るには大学院履修が必要など,結構大変だが,自閉症に関しては,この程度.
結局,資格試験は,職業ギルドとして新規参入障壁という意味合いが強い.
むしろ,実務経験や学校卒業などの条件は除外して,ペーパー試験一発だけで資格を与えたらどうか.名称独占資格にすぎないとはいえ,行政はこの資格を信用しすぎる.