『上司と俺とホルモン館』  第四話 ~やっと出てきたホルモン館~ | シケた世の中に毒を盛る底辺の住民たち

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リレー小説したり、らりぴーの自己満足だったり、シラケムードの生活に喝を入れるか泥沼に陥るかは、あなた次第。


休日は大体起きるのが夕方頃の俺にとって、朝9時集合はかなりの苦痛だった。


しかも河童の巣窟に行かなければならない。


逃げ出したかった。


ただ、もうほとんど人間と言えない生物になってしまった上司が、あまりに


必死に誘ってくるので仕方なく駅に向かった。


待ち合わせ場所につくと、昨日の河童の席のメンバーが勢ぞろいしていた。


「遅いよ!!10分遅刻だよ」


「俺なんて30分前から来てたよ」


「私なんて昨日帰らずに待ってたのよ」


「いやいやそれなら僕なんて・・・」


みんなぐいぐい前に出てくる。若手芸人みたいだ。心底うざい。



カッパエクスプレスでの移動中、僕の隣には事のキッカケを作った河童上司が


いた。仕切に昨晩の情事を自慢げに話している。


どうも解散後、アンちゃんとしっぽりイッたらしい。


・・・それにしても臭い。話どころではない。


元々、お風呂に入っていないのか、牛乳を拭いた後、放置されたぞうきんの


ような臭いがする人だったが、それとはまた違う臭さだ。

学校用 ぞうきん
¥367
文具のお店ステーショナリーラピス

周りの席を見渡すと、みんなそれぞれ楽しんでいる。

ふと、あまりに興味がなさすぎてみんなの名前を知らないことに気付いた僕


は、全員のあだ名を付けようと提案した。


当然、みんなぐいぐい食いついてくれた。



至る所がロングさん = クソノッポ

弾けんばかりのナイスバディ = ブヒ江

落ち武者 = アンちゃん

飛び出る目玉 = 小西さん

きゅうりが似合うタムラさん = タムラさん

唯一、人間の姿を留めている俺 = フラレ虫


改めて見ると、尋常じゃなく濃いメンツであり、自分がその一員だという


のが恐ろしい・・・



そうこうしている内に、目的地に到着し、タムラさんの自宅まで更にバスを


乗り継いだ。



バスを降りて歩き始めてからぼちぼち1時間経過する。


かなり山深くまで来てしまったが、一体いつ着くのだろうと思っていると、


アンちゃんとイチャイチャベタベタ気持ち悪いタムラさんが振り返り、得意げに


「到着したよ」と叫んだ。


沼地のそばにひっそりと佇む一軒のお店。「ホルモン館」という看板がかかっている。


店の周りにはなぜか無数のフリスビーが散乱していた・・・


フリスビー
¥80
すくらんBOX