新年早々に行われた米軍のベネズエラ侵攻、マドウラ大統領夫妻の拘束とNYへの移送・拘禁、NY裁判所への公訴といった一連の動きは、世界を震撼とさせている。高市総理大臣は、自由・民主主義、法と秩序の尊重という日本の基本原則を表明し、他のG7各国と協調していく旨を述べるにとどめ、トランプ政権による上記の行為が、国際法に則って行われたものか、或いは、国際法違反の行為であるかなどについては、態度表明を避けた。「あいまい戦略」に基づく外交の典型例である。
恐らく高市総理大臣は、台湾有事と存立危機状態との関連についての自らの発言を振り返り、時と場合によれば、日本は「あいまい戦略」を取らざるを得ないことを再認識していることだろう。「台湾有事」発言は言わずもがなの典型例であるが、ベネズエラ問題については、日本とベネズエラ間の関係性が薄いことに比較し、日米同盟の重要性が格段に大きいことに鑑み、「あいまい戦略」に基づく外交は、「適切」、或いは、「止むを得ない」ものであると言えよう。私は、野田佳彦立憲民主党党首のように、敢えて国際法違反の疑いに言及することは、日本の国益にかなっていないと考える。
なお高市早苗内閣には、この機会に、ウクライナ支援、開発途上国支援など、伝統的な日本の外交政策を改めて強力に進め、国際社会における日本の存在を強調していただきたい。(20260106)