WurtS、挑戦のツアーで踏み出した大きな一歩 初のDJコーナーで新境地切り開く | ⭐[よペ子]⭐アルペジオ♫ダイアリー


    WurtSのライブハウスツアー

    「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」が7月19日に

    大阪・Zepp Osaka Baysideで閉幕した。この記事では16日に行われた東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の模様をレポート



    “変化球”で攻めた3回目のツアー

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)


    ステージに姿を現したWurtSは、5月にリリースした

    EPの収録曲「SF東京」でライブを開始。

    メランコリックなサウンドとアンニュイな歌声で

    オーディエンスの心をたちまち引き込んでいった。「VANILLA SKY」「マイティーマイノリティ」を

    クールにプレイしたあと、WurtSはこれまで

    ライブ終盤に演奏することの多かったディスコ調の

    ナンバー「リトルダンサー」を投下。DJのウサギが

    さっそくステージの前方に進み出てフロアを

    盛り上げた。




    今回のツアーのテーマは“変化球”。ライブ序盤のMCで「ちょっとサプライズが多いかなと思ってます!」とWurtSは予告し、「懐かしい曲やってもいいですか?」と初期の人気ナンバー「檸檬の日々」を

    爽快感たっぷりに届ける。そして酩酊感のある

    甘いラブソング「ブルーベリーハニー」や

    ホーンサウンドが印象的なウインターソング

    「メルト」を歌い上げた。

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)

    ここでWurtSは

    「みんなともっとコミュニケーションを取りたいので、WurtSに聞きたいことはありますか?」と

    突然切り出し、質問コーナーを設けてオーディエンスを驚かせる。まずフロアから飛び出したのは

    「WurtSが一番好きな自分の曲はなんですか?」と

    いう質問。WurtSは「僕は『メルト』が好きなので、

    さっき披露できてうれしいです!」と声を弾ませた。



    さらに「今日は何を食べましたか?」と問われた

    WurtSは「ケータリングで『鳥久』というお店の

    お弁当を食べました」と気さくに回答。

    「最近よく聴くほかのアーティストの曲は?」と

    聞かれると、「そうだなあ……何もないよ? 

    特に何もないんだけど」と前置きしたうえで

    「PEOPLE 1。今、彼らもツアーやってるじゃん。

    僕も聴いてます」と盟友の名前を挙げてフロアを

    沸かせた。

    その後WurtSは「挑戦することが進化につながる」と

    いうメッセージが込められた最新EP収録曲

    「エヴォリューション」でオーディエンスを鼓舞。

    「遊星X」ではグルーヴ感のあるサウンドに乗せて

    濁流のようにリリックを紡いだ。

    DJスタイルで生み出した爆発的な光景

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)


    バンドメンバーが一度ステージを去り、

    舞台にはWurtSとウサギだけが残る。

    WurtSはステージ中央に設置されたDJセットの前に

    立ち「皆さん踊れますか?」と告げた。

    ここから未発表の新曲「大人になるのは」を皮切りに、変化球をテーマにしたツアーの中でも最大の

    挑戦でありサプライズとなったWurtS初のDJコーナーがスタート。「大人になるのは」ではリフレインする

    心地のいいメロディとずっしりとしたビートに身を

    委ねてオーディエンスは自由に体を揺らした。

    さらにWurtSはDJスタイルで「BOY MEETS GIRL」「NERVEs」といった人気ナンバーのリミックスバージョンを届けていく。フロアには開放感あふれる空気が一気に広がり、大きなシンガロングも響き渡った。熱狂するオーディエンスに「もっとこいよ、羽田!」とWurtSが言い放つと、会場が揺れるほどオーディエンスは一斉に飛び跳ねる。続いて「コズミック」で爆発的な高揚感を生み出したWurtSは、それでもまだ足りないと言わんばかりに「もっともっともっと!」とさらに熱を煽り、オーディエンスの胸が高鳴るようなビートを届けた。

    WurtS(撮影:小田部伶)

    WurtS(撮影:小田部伶)[拡大]

    初の試みとなったDJコーナーを経て「新曲披露もリミックス披露も、僕の中で今回のツアーは“新しい一歩”だなと思っています。これまで『I』『II』とライブハウスツアーをやってきて、WurtSのライブというのはなんとなく理解できたんだけど、ライブハウスを活かしてもっと楽しめることないかなと思っていろいろと考えました」と話したWurtS。続いて彼は8月9日に公開される映画「ブルーピリオド」の主題歌「NOISE」を披露し、疾走感のあるプレイを繰り広げた。その勢いのままWurtSはカッティングギターが心地のいいナンバー「BORDER」を演奏。さらにダンスチューン「Talking Box (Dirty Pop Remix)」でフロアを沸かせたあと、「ふたり計画」「僕の個人主義」といったギターロックナンバーで轟音をかき鳴らした。

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)[拡大]

    WurtSは「さっきも言ったけど、このツアーは新しい一歩なんじゃないかなと思っていて。僕は10月31日に日本武道館でライブをするんですよ。さらにその先もいろいろ予定があるんです。だからその先を見てて、どんどんWurtSも進んでいかなきゃな、がんばらなきゃなという時期で。ちょうどそんな頃にこのツアーをやることになって、『じゃあこのツアーはWurtSが今まで培ってきたものを全部発揮できるような場所にしたい。もっと挑戦的なことがしたい』と思って、リミックスとか新曲とかいろんなことをやって、ちょっとでも『WurtSまた進化してるな』と思ってくれたらうれしいです」としみじみと話す。これからの未来を見据えた言葉を経て、最後にWurtSがゆったりと歌い始めたのは未発表の新曲「YOU AND I」。最後までサプライズを観客に届け、エモーショナルで美しいアンサンブルを場内いっぱいに響かせてWurtSはステージをあとにした。

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の様子。(撮影:小田部伶)[拡大]

    アンコールを求める拍手と合唱に応え、再びステージに登場したWurtSは、代表曲の1つ「分かってないよ」をプレイ。するとステージ背面のスクリーンが点灯し、楽しそうに演奏するWurtSの姿と、オーディエンスの笑顔をカメラが捉えて交互に映し出した。温かな光景の中でシンガロングが響き渡り、WurtSが煽るごとにその声はどんどん勢いを増していく。オーディエンスの晴れやかな大合唱を一身に浴びながら、WurtSはサプライズ尽くしのライブを締めくくった。


    セットリスト

    WurtS「WurtS LIVEHOUSE TOUR III」2024年7月16日 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト

    01. SF東京
    02. VANILLA SKY
    03. マイティーマイノリティ
    04. リトルダンサー
    05. 檸檬の日々
    06. ブルーベリーハニー
    07. メルト
    08. エヴォリューション
    09. 遊星X
    10. 大人になるのは
    11. BOY MEETS GIRL
    12. NERVEs
    13. コズミック
    14. NOISE
    15. BORDER
    16. Talking Box (Dirty Pop Remix)
    17. ふたり計画
    18. 僕の個人主義
    19. YOU AND I
    <アンコール>
    20. 分かってないよ