★高橋和也
【解説】
精神科医を務めながら、珠玉の人間ドラマを
生み出してきた帚木蓬生の山本周五郎賞受賞作、
累計90万部を超える感動のベストセラー『閉鎖病棟』(新潮文庫刊)を、『愛を乞うひと』『エヴェレスト 神々の山嶺』の平山秀幸監督が、
原作に惚れ込み初めて自ら脚本を執筆、
11年越しで映画を完成させた。死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し生きながらえ、
今は精神科病院にいる男・梶木秀丸を演じるのは、
国民的落語家・笑福亭鶴瓶。『ディア・ドクター』以来10年振りの主演作となる本作で、役作りの為に7キロもの減量を成功させ、庶民的な顔とは異なる存在感を
放っている。
また秀丸と心を通わせる患者チュウさんを、
『そこのみにて光輝く』、『新宿スワン』などの作品で個性溢れる演技を見せた綾野剛が演じ、
DVが原因で
精神科病院に入院する女子高生・由紀を『渇き。』、
『恋は雨上がりのように』などの作品で幅広い役柄に挑んだ若手女優、小松菜奈が演じている。
各世代を代表するキャストたちの、愛しき人間味溢れるアンサンブルで、精神科病棟で紡ぎ出される、
優しき人間たちのドラマを感動的に描いている。
【ストーリー】
長野県のとある精神科病院。
死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。
幻聴に悩まされるチュウさん(綾野 剛)。
DVが原因で入院する由紀(小松菜奈)。
彼らは家族や世間から遠ざけられても、
明るく生きようとしていた。
そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。彼らの日常に影を落とす
衝撃的な事件はなぜ起きたのか。
それでも「今」を生きていく理由とはなにか。
法廷で明かされる真実が、
こわれそうな人生を夜明けへと導く―――。