超セレブ高校を舞台に繰り広げられる韓国発の

ダークな青春群像劇「ヒエラルキー」。

6月7日からNetflixで配信開始され、「今日のTV番組TOP10(日本)」に連日ランク入りしているほか、

週間グローバルトップ10のテレビ・非英語部門でも

初登場2位、そして2週目にして1位に輝くなど好調だ。何が人気を呼んでいるのか、注目してみたい。

(文・前田かおり)※以下、本文にはネタバレを

含みます。



「ヒエラルキー」とは?

 タイトルの「ヒエラルキー」とは、階級、階層と

いう意味で、ピラミッド型に上から下へ権力や地位が序列化された組織やシステムのこと。本作では、

そんなヒエラルキー上位0.01%に君臨する財閥や

大企業の御曹司・令嬢が集まるエリート高校に、

謎の転校生がやって来たことから、彼らの世界に

亀裂が生じていく様子が描かれる。

 エリート名門校に通うファッショナブルでリッチな高校生の群像劇といえば、ブレイク・ライヴリー

青春スターを輩出した「ゴシップガール」が浮かぶところから、韓国版「ゴシップガール」ともささやかれる本作。ヒロインを子役出身で、

「その年、私たちは」の金髪美女役で注目された

ノ・ジョンウィ、謎めいた転校生を

「生まれ変わってもよろしく」のイ・チェミン

演じるほか、

ライジングスターと目される若手俳優たちが集結。

制作はスタジオドラゴン、演出を「ビッグマウス」などのペ・ヒョンジン、脚本を「アバウトタイム ~止めたい時間~」のチュ・ヘミが担当している。




あらすじ

舞台は、韓国最高レベルの教育サービスを誇る

エリート校のチュシン高校。ジュエルグループの

令嬢、チョン・ジェイ(ノ・ジョンウィ)が学園の

女王、そして曾祖父が学園の創設者である

チュシングループの御曹司、

キム・リアン(キム・ジェウォン)が王様的存在と

してトップに君臨し、

2人は恋人同士だった。だが、ジェイはリアンに何も

言わず渡米、音信不通となる。

 新学期がスタートし、

奨学生としてカン・ハ(イ・チェミン)が転入して

くる。ハイレベルな教育が受けられると意気込む

カン・ハだったが、富裕層の生徒たちから徹底的に

差別される。実は、学園では、少し前に奨学生で

入学した生徒が不審な死を遂げていたのだった。

 一方、帰国したジェイは理由も言わずにリアンに

別れを告げ、偶然にもカン・ハと親しくなっていく。だが、カン・ハはある目的のために編入したという

秘密を抱えており、その計画のためリアンたちを

挑発していき……。





ネクストブレイク必至!最注目の若手俳優5人衆


青春群像劇だけにやっぱり見ものは若手俳優たち。

まず注目したいのはヒロイン、チョン・ジェイを

演じるノ・ジョンウィ。8歳から子役として活躍し、数々の作品でヒロインの子供時代を好演。近年は

「その年、私たちは」で人気アイドルのNJを演じる

ために金髪に染め、「あの美人女優は誰?」と話題を

さらった。本作では、終始ほとんど笑顔を見せないが、華奢な身体で財閥グループの令嬢然とした

近寄り難さや気品を漂わせ、まさに学園のクイーンを体現している。

 そんな彼女にある目的を持って近づいていく

転校生のカン・ハを演じるのは、

189cmの高身長に鍛え上げられた肉体美が目を引くイ・チェミン。

本作の演出を務めるペ・ヒョンジン監督が共同演出を手掛けた「還魂:光と影」や、

シン・ヘソン主演の「生まれ変わってもよろしく」で注目された。一見、無邪気で大らかな性格に見えるが、ひどいイジメに遭っても全く怯まないタフさが

あるカン・ハ。その正体は早々に明かされるが、

彼が学園にどんな波乱を巻き起こしていくのか、

興味をそそる。




学園のキング、キム・リアンには、

モデル出身でこちらも高身長、「私たちのブルース」や「キング・ザ・ランド」のCA役でも賑わしていた

キム・ジェウォン。本作では学園の後継者として、

帝王教育を受けているが、母親の毒親ぶりに悩む青年を演じている。また、ジェイとリアンの幼なじみで社長令嬢のユン・ヘラには、「サイコだけど大丈夫」や「アンナラスマナラ -魔法の旋律-」などの

チ・ヘウォン。ジェイの親友を自称しながらも、

嫉妬心と劣等感をむき出しにする、クセ強めながらどこか憎めないキャラクターでドラマを盛り上げている。同じく幼なじみの1人で、大物政治家の父を持つイ・ウジンには、犯罪者役でゲスト出演した

「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」でそのビジュアルが

話題となったイ・ウォンジョン。リアンの一番の

理解者で優しい性格だが、実は女性教師と深い仲で、冷酷な面を持っているところもあるという難役に

挑んでいる。



ライフスタイル&ファッションがゴージャスすぎ!





超セレブな高校生による学園ドラマだけあり、普通ならありえない設定が満載の本作。ド派手なパーティーに始まり、サーキットではフェラーリ VS ランボルギーニのスーパーカーレース、学校への送迎には高級車がズラリと壮観のひと言。クラブ活動では、アメリカンフットボールにフェンシングと、防具のその下が汗びっしょりだろうが、オシャレさ全開で汗臭さなどは皆無だ。

 また、美男美女のキャストたちがとっかえひっかえ着る服やアクセサリーは、シャネルにグッチ、プラダにエルメスとハイブランドが続々。スタイル抜群の彼らが着こなす姿に、次のシーンでは一体何を着てくれるのかと期待せずにはいられなくなる







学園で起きたある生徒の不審死の真相は……という謎に少しずつ迫りながら、カン・ハの復讐(ふくしゅう)計画が進んでいく本作。だが、秘密を抱えているのはカン・ハだけではなく、歪んだ家族関係や恋心、教師との交際など、幼なじみ4人も仲間内にすら明かせないでいる秘密をそれぞれに抱えている。そして、それによって、カン・ハの復讐の誓いすら揺らぎが見え始めてしまう。それも高校生(そうであることを忘れてしまうほどだが……)ならではの不安定さなのかもしれない。

 ヒエラルキー頂点ならではの、ティーンの人間模様にモヤモヤしながらも、生徒の不審死の謎がどう明らかになっていくのかというミステリーに引き込まれ、次々と見進めてしまう本作。全7話とあって、イッキ見も可能。最終話には意味深なエピローグもあり、最後の最後まで気が抜けないだけでなく、続編への期待も膨らむ展開と言えそうだ。

Netflixシリーズ「ヒエラルキー」は独占配信中