OLD JOEが6月1日に東京・新宿LOFTでワンマンライブ「Stay Old」を開催した。 




【写真】5年ぶりのワンマンライブを開催したOLD JOE



■ 大昔の曲ばっかだけど楽しいですか OLD JOEはSuchmosのYONCEこと河西洋介(Vo)、真田徹(G)、カメヤマケンシロウ(B)、大内岳(Dr)の4人からなるバンド。2008年から2015年まで活動したのち、

2019年に東京・下北沢GARAGEでワンマンライブを

行った。「Stay Old」はそれ以来、約5年ぶりのワンマンとなった。 

出囃子の音楽が鳴り、緞帳がゆっくりと上がっていく。ステージに姿を現した4人はファンキーな

ジャムセッションを繰り広げて「Red Tab」へと

つなげる。アップテンポなビートを刻む大内。

その上で真田のカッティングギターが小気味よく

響き、河西はスモーキーな歌声をこだまさせる。

4人は自由自在にBPMを変化させながら、

息の合ったアンサンブルを届けた。

間髪いれずに始まったアッパーチューン 

「わるいくすり」では、真田とカメヤマが

キャッチーなリフを弾き倒す。ステージのライトは青、紫、緑、赤と目まぐるしく点滅し、

観客の焦燥感を駆り立てた。 

河西の甘い歌声が場内をアンニュイな空気で包んだ「kelios」を経て、スネアの連打を合図に

「Moon Side Dance」がスタート。

真田はボーカルのメロディに相槌を打つように

フレーズを挟み込み、河西は長い髪を振り乱しながら熱のこもった歌声を届ける。



「大昔の曲ばっかだけど楽しいですか」という河西の問いかけに、ファンは大歓声と拍手で応えた。 

「Lover Soul」でファンキーな空気は一変。

河西がアコースティックギターを弾きながら優しい裏声を響かせる。野太い8ビートが刻まれた「Shot」「camel」に続き、ギターを置いた彼はスローなダンスチューン「ギムレット」を歌唱。

カメヤマが余白をたっぷりと残したベースラインを

生み出し、洗練されたグルーヴで観客の体を揺らす。河西は人であふれるフロアを見て

「今日は地元の友達とか、東京で出会ったバンドマンの仲間とか、今までに出会ったいろんな時代のいろんな友達が来てくれたんです。

僕らが20歳くらいの頃からお世話になってる樋口さん(新宿LOFTスタッフ・樋口寛子氏)と一緒に、

パンパンになったLOFTの景色を見ることができて

うれしいです」と感慨深げに語った。 

分厚いスモークが立ち込め、しっとりと始まったのは「ささやき」。青一色に染められたステージに

茜色の光が差し込み、夜明け、あるいは日没かの

ような景色に4人のシルエットが浮かび上がった。

10年ぶりに作られたという新曲

「Turning Of The Seasons」ではどっしりと重たい

8ビートに乗せて、

河西がアコースティックギターをシャカシャカと

フォーキーに響かせる。

彼のボーカルと他メンバーのコーラスによる掛け合いも披露され、長年連れ添ったメンバーだからこその

グルーヴを見せ付けた。 


■ ここにあるもの以外の音は鳴ってない 続く「Paradise」では、カメヤマが頭を激しく上下に

振りながらパフォーマンス。「Manhattan Subway」で

BPMが一気に上がると、それに比例して場内の

ボルテージも上昇する。

真田は鋭いカッティングギターを炸裂させたのち

、「全然集客できてなかった頃の俺たちを、

樋口さんは何度もブッキングしてくれて。あ、

ちなみに樋口さんは昔から“オールド(→)ジョー(→)”のことを“オールド(↑)ジョー(↓)”って

発音します。10年経っても変わってなくて

うれしかったね。俺たちの発音が間違ってる可能性もあります」と樋口氏について語り、

会場の笑いを誘った。 ライブは「フリント」で

ラストスパートに突入。河西もエレキギターを手

にして、4人のバンドサウンドはより一層激しさを

増していく。彼らはその勢いのまま「Solitaire」「devil's own」「ハートビート」を立て続けに披露。「Full Moon Joint」の曲中で河西が

「ありがとう。OLD JOEでした」と口にすると、それを合図にBPMがどんどん上昇する。

熱のこもった演奏にフロアから大歓声が上がった。

 アンコールの拍手に応えて再び姿を現す真田と大内。真田はほかの2人がまだタバコ休憩中であることを

告げ、「タバコなんかやめなさいって言ってるんですけどね。俺はもうやめた。6年前ぐらいに」と話して

拍手喝采を浴びる。遅れて登場した河西はOLD JOEのライブスタイルについて

「今日ってここにあるもの以外の音は鳴ってないんです。最近のバンドはだいたいみんなイヤモニを着けてるよね」と切り出す。

真田が「イヤモニの中ではメトロノームの音とか、

いないはずのキーボードの音とかが流れていて、

みんなそれにあわせて演奏してるんですけど、

俺たちはそれを使う技術がなくて(笑)」と続けると、河西は「俺らには似合わないよね。イヤモニを着けてると、お客さんの声があんまり聞こえない。

やっぱ声を聞きたいからさ」と思いの丈を語った。 

最後に演奏されたのは「Hello, Bitch」。

真田が“うるさくて早え曲”という曲振りをした通り、

四つ打ちのバスドラに乗せてど派手なギターリフが

響き渡る。カメヤマは上裸にサングラスという姿に

なり、聴覚的にも視覚的にも激しいフィナーレと

なった。 


■ セットリスト □ 

OLD JOE「Stay Old」

2024年6月1日 新宿LOFT 

01. Opening~Jam 

02. Red Tab 

03. わるいくすり

 04. kelios

 05. Moon Side Dance

 06. Lover Soul 

07. Shot 

08. camel 

09. ギムレット 

10. ささやき

 11. Turning Of The Seasons 

12. Paradise

 13. Manhattan Subway 

14. フリント

 15. Solitaire 

16. devil's own 

17. ハートビート 

18. Full Moon Joint 


<アンコール> 19. Hello, Bitch