「第33回 日本映画批評家大賞」授賞式が5月22日(水)に開催され、

東出昌大が主演男優賞(『Winny』)、

筒井真理子(『波紋』)が主演女優賞、

磯村勇斗(『月』)が助演男優賞、

新垣結衣(『正欲』)が助演女優賞を受賞し、

喜びの声を語った。





今年で33回目を迎える同賞。アニメーション作品賞では『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)が
受賞し、そしてゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞)が木野花、ダイヤモンド大賞(淀川長治賞)が
小林薫に贈られ、ともに『バカ塗りの娘』での
受賞となった。 『Winny』で主演男優賞を受賞した
東出さんは、「芝居って何だろう」と考えることが
多かったと話すも、「今回は(演じた実在する)金子勇さんの周りに生前いらしたご遺族、弁護団が、
完成を喜んでくださって『人生が報われた』と言ってくださった。こんなに直接的に人のためになる仕事ってあるんだ、役者をやっていてよかったと、
心から魂が震えました」と喜びを実感したという。
 主演女優賞を受賞した筒井さんを祝福しに、
花束を持って登場したのは本作で共演し息子役を
演じた磯村さん。作品内では良好とはいえない
親子関係を演じた二人だが、壇上では仲睦まじげに
2ショットで収まる。






筒井さんは、「今も現場で撮影していますが、そこにいる役者さんが『本当にいい賞をとったね』と祝福してくださいました。監督の台本を最初に読んだとき、素晴らしくて。社会風刺をコメディにしながら、宗教に救われるのでなくどこにでもいる掃除婦の方に救われると。光を感じました。そんな役を演じて心から感謝しています」と話した。 『月』では本年度日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、数々の賞を受賞してきた磯村さん。改めて振り返り、「作品の内容、演じた役を考えると、非常にありがたき賞をどう受け取ったらいいか、悩んでいる自分もいます。役者としては非常にうれしい賞だなと、自分の中でふたりがすごく戦っているような感覚です。それくらい難しい作品に出会えたことを感謝しています」と喜びをにじませた。そして、磯村さんは「映画作りは本当に面白いこともありますが、ときに鋭く冷たい部分持っていたりして。(だからこそ)映像・映画作りの現場は楽しい、やめられないと感じています」と武者震いした。 『正欲』で助演女優賞を受賞した新垣さんを祝うため、花束を持って現れたのは共演した磯村さんだった。うれしいサプライズに新垣さんは思わず笑みを広げ、二人でニコニコと写真撮影にも応じた。受賞について、新垣さんは、「映画賞で助演女優賞をいただくのは人生で初めてです。この作品は私にとっても大事なことをたくさん教えてくれました。演じた役は想像するしかない役で、本当に想像するのみで大変で難しかったです。岸監督のもと、素晴らしいスタッフの皆さん、磯村さんも含め、素晴らしいキャストの皆さんと人生の糧になるような素晴らしい時間を過ごさせてもらいました」と心を込めてスピーチした。

 受賞結果は以下の通り。 
【第33回 日本映画批評家大賞】
 作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
 監督賞:荻上直子監督『波紋』
 主演男優賞:東出昌大『Winny』 
主演女優賞:筒井真理子『波紋』 
助演男優賞:磯村勇斗『月』 
助演女優賞:新垣結衣『正欲』 
ドキュメンタリー賞: 『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督) 
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督) 
新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』 
工藤将亮監督『遠いところ』 
新人男優賞(南俊子賞):アフロ『さよなら ほやマン』
 黒崎煌代『さよなら ほやマン』 
新人女優賞(小森和子賞):
花瀬琴音『遠いところ』 
脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ』 
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』 撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』 松永文庫賞(特別賞):八丁座 ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘』 ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』 シネマカフェ シネマカフェ編集部