FANTASTICSの八木勇征が主演を務める、鈴木おさむ原作・脚本の青春映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が2025年に公開されることが決定した。




本作は、2019年の初演後、何度も再演された同名読劇が原作の青春映画。2024年3月31日をもって放送作家業と脚本業から引退した鈴木が、引退前に映画の脚本を手がけた。「辞める前にどうしてもこの作品を作りたかった」という鈴木は、朗読劇ならではの情景や言葉を青春映画へと生まれ変わらせた。ドラマ『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)や『アオハライド』(WOWOW)などの木村真人が監督を務める。

 とある田舎の小さな村。この村の少年たちは18歳になると、あることを伝えられる。それは「この村で生まれた男の子は、人生で一度だけ魔法を使うことができる。ただし、20歳までの2年の間に使わなければならない」ということ。村の大人の男たちが過去にどんなことに魔法を使ったのかは、自分たちが魔法を使うまでは知ることできない。こうして、アキト、ハルヒ、ナツキ、ユキオの4人の男子高校生は「何に魔法を使うか?」を考え始める。

 主演を務めるのは、『美しい彼』(MBS)で知られるFANTASTICSの八木。2023年は映画2本、ドラマ5本に出演した八木が、幼いころからピアノが好きで音大を目指すも父親からの強固な反対に葛藤する、主人公アキトを演じる。八木は出演にあたり、「綺麗なキラキラしている中にも、人間の本質というか少し愚かな部分も見えたりしていて、僕はこういうテイストの作品へ参加するのが初めてなので、とても楽しみです!」とコメントを寄せている。

 生まれつき体が弱く、仲間たちに守られるように成長してきたハルヒを演じるのは、NHK大河ドラマ『どうする家康』などに出演した井上祐貴。井上は「葛藤や悩み、アキト、ナツキ、ユキオとの距離感や関係性を特に大切に演じたいと思っています」と抱負を語った。

 また、サッカー選手になるという夢を父親の病気のせいで諦め、仲間たちの言葉を素直に聞くことができない不器用なナツキを、実写映画『【推しの子】』アクア役で主演を務めることも発表された櫻井海音が演じる。櫻井は演じるナツキについて「サッカーに対しての想いも自分自身とリンクする部分が多々あるので演じることが非常に楽しみです」と明かした。



さらに、天真爛漫なキャラクターでありながら、自身の父親が抱えていた意外な秘密にショックを受けるユキオ役で、2023年8月に世界同時配信デビューしたIMP.の椿泰我が出演する。椿は「この作品への出演のお話をいただいた時は、『僕が映画に出演!?』と、とても驚きましたがそれと同時に新たな事に挑戦させていただけることにとてもワクワクしました!」とコメントしている。

コメント
八木勇征(アキト役)
主演としてこの作品に出演させていただけることが光栄です。
脚本を読ませて頂き、若者4人が中心となり「人生の中で一度だけ魔法が一つ使える」という大きなトピックで物事が進んでいくのですが、
その中でも一人一人それぞれ違った葛藤があり、色々なドラマがあり終盤に進んでいくにつれて僕は読んでいて涙が止まりませんでした。
綺麗なキラキラしている中にも、人間の本質というか少し愚かな部分も見えたりしていて、
僕はこういうテイストの作品へ参加するのが初めてなので、とても楽しみです!
今回演じるアキトはピアニストを目指している青年なのですが、
ものすごく心が強くてどんなことがあっても一本ブレない軸を持っているなと感じました。
挫けそうになりそうな時も、大切な仲間に支えられながらも必ず自分で決めた事をやりきる強さを持ったキャラクターです。
そして、同世代で活躍されているキャストの皆さんとご一緒させていただけることがすごく楽しみですし、今までとは違った責任感も生まれて気が引き締まる思いです。
初めてお仕事をさせていただくスタッフの方々もたくさんいらっしゃるので新鮮です。
ここから色々なことが解禁されていくと思いますので、皆さんぜひ楽しみにしていてください。
僕も全力で楽しんでいきたいと思います!

井上祐貴(ハルヒ役)
映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』でハルヒ役を演じさせて頂きます、井上祐貴です。
ハルヒは常に俯瞰的に目の前の状況や人を見ている視野の広い、そして何より自分の周りの幸せを願う優しい男の子という印象です。
「魔法」が一回だけ使えるこの世界で、その「魔法」によって揺れ動き、彼らが最後にどんな「魔法」を使うのか。そんな葛藤や悩み、アキト、ナツキ、ユキオとの距離感や関係性を特に大切に演じたいと思っています。



公開まで少し時間はありますが、楽しみにして頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

櫻井海音(ナツキ役)
僕が演じさせていただくナツキは、4人の中でも1番高校生らしく、
思春期から大人になる過程の感情表現や不器用さも凄くリアルだと感じました。
サッカーに対しての想いも自分自身とリンクする部分が多々あるので演じることが非常に楽しみです。
木村監督とも別の作品でご一緒させていただいたことがあり、また木村組で演じることができ、とても嬉しいです。
鈴木おさむさんが描いた素晴らしい原作・脚本を、どんな風に自分自身が表現できるのか、
そしてどんな現場になっていくのか今から凄くワクワクしています。

椿泰我(ユキオ役)
この作品への出演のお話をいただいた時は、
「僕が映画に出演!?」と、とても驚きましたが
それと同時に新たな事に挑戦させていただけることにとてもワクワクしました!
まずタイトルを見た際に、ファンタジーな世界観の物語なのかなという印象を覚えました。
しかし、台本を読んでいくうちにとても人情味溢れる内容となっていて、魔法という非現実的な要素がここまで心に寄り添ってくれるのかと思い、気付いたら涙が溢れていました。
物語の軸となる、「一回だけ魔法が使える」という部分がどのように作用するのかを楽しみにしていただけたらなと思います。
この作品に携わる一員として、全力で支え、楽しみながら演じて行きたいと思います。
楽しみにしていてください!

鈴木おさむ(原作・脚本)
この作品は、僕が朗読劇で作った、僕の中でのとても大切な作品で、脚本業を辞める前に、どうしてもこの映像版を作りたかった。だから放送作家を引退する一ヶ月前に、大切に大切に書いた脚本です。
そのうえ、撮影を僕の地元・千葉県を中心に行えることになったので、とても嬉しいです。




もし自分が人生で一回だけ魔法を使えたら……ということをテーマに、日本のとある村で起きる男子4人の青春物語。沢山の人に優しい涙を流して貰えたら、幸いです。

木村真人(監督)
18歳から20歳という時期は、最も心が揺れ動き人生のモラトリアムと言われる重要な時間です。4人の青年が“一回だけ使える魔法”という非日常を通して仲間や家族、そして自分と向き合い、もがきながら必死に進もうとする眩く儚い姿には、心を強く揺さぶられます。主演の八木さんを筆頭に、井上さん、櫻井さん、椿さんと、集結したフレッシュな俳優陣の繊細な心の揺らぎを、たっぷりの風景美や風の流れと共に、温度感のある蒼い映像で、丁寧に紡いでいきたいと思います。初めて脚本を読んだ時僕がそうであったように「人が人を想う気持ち」や「小さな幸せ」が運ぶ切なく温かな感動と涙が、この映画を観てくださる皆様の心に宿れば嬉しく思います。

(文=リアルサウンド編集部)