エマ・ストーンとジェニファー・ローレンスに対して、昨年の授賞者からオスカーを受け取るという伝統を蔑ろにしたと批判の声が上がっていた




現地時間3月10日(日)に行われたアカデミー賞授賞式。主演女優賞を授賞したエマ・ストーンとプレゼンターの1人として登場したジェニファー・ローレンスの行動に関して人種差別疑惑が浮上している。そんな中、ミシェル・ヨーがその場で起きたことの経緯を説明した。




今年の授賞式では、俳優部門の授賞者を発表する際に歴代の授賞者5人が登場。それぞれがノミニーを紹介し、昨年の授賞者がオスカーを手渡すという演出が行われた。主演女優賞ではサリー・フィールド、シャーリーズ・セロン、ジェシカ・ラング、ジェニファー・ローレンス、そして昨年のミシェルが登場した。

事件が起きたのはオスカー像を手渡す瞬間。エマはドレスの背中部分が破けてしまったことからステージ手前にいたジェシカとシャーリーズにその部分を見せながら、ミシェルの元に。しかし像がミシェルからエマに渡った瞬間、ミシェルの隣にいたジェニファーが手を出し像をエマに授けた。エマはミシェルの方を見ることなくジェニファーから像を受け取ると彼女とハグ。そのままジェニファーの隣にいるサリーのもとに移動した。そのため「エマがミシェルから受け取った像をジェニファーに渡し、ジェニファーから受け取り直した」「ミシェルが渡すべき像をジェニファーが奪い取ってエマに渡した」という見方が浮上。いずれにしてもミシェルを無視するようなエマとジェニファーの振る舞いは人種差別だという声がSNSに書き込まれた。



これに対してミシェルがインスタグラムでコメントした。彼女はエマとハグをする写真を投稿。「おめでとう、エマ! あなたを混乱させてしまったけれど、あなたにオスカーを渡すという輝かしい瞬間をあなたの親友のジェニファー・ローレンスと分かち合いたかった。彼女は私の親友のジェイミー・リー・カーティスを思い出させる。いつもお互いを支え合って!」。ジェニファーがミシェルから像を奪い取ってエマに渡したわけではないと説明した。



この説明も物議を醸している。これまでのような「ミシェルはエマを混乱させていない。エマやジェニファーがやったことは白人が非白人の前でやる典型的な人種差別だ」と2人を批判する声に加えて、アジア系のフォロワーからはミシェルの発言に失望する声が上がっている。「ミシェルが寛容さを示すことでこの論争を終わらせることができるかもしれない。でもこれによってアジア人に対する差別を当然だと考える人が増えるだろう」と批判する声も多い。これをきっかけにアメリカマスコミの間でも議論が広がるのか、それともこのまま終わってしまうのか、注目が集まっている。