第19回大阪アジアン映画祭(3月1日~10日)のスペシャル・オープニング作品とクロージング作品が、このほど発表された。スペシャル・オープニング作品は、香港の人気グループ「MIRROR」のメンバーが主演の一角を担う「盗月者」。クロージング作品は、井浦新がアメリカ映画初主演を務めたヒューマンドラマ「東京カウボーイ」となった。



「盗月者」は、2024年春節にあわせてまもなく現地公開される作品。2010年の香港の窃盗団による東京の時計店襲撃事件を題材に、史実を織り交ぜたストーリーが展開するスタイリッシュな犯罪ドラマだ。東京と香港でロケを敢行し、スリリングな裏切り合戦を繰り広げながら大胆な盗みを働く窃盗団の姿が描かれる。



窃盗団のメンバーには、アンソン・ロー、イーダン・ルイ、ルイス・チョン、バイ・ジー、そして悪徳時計ディーラーとしてギョン・トウが特別出演している。



監督を務めるユエン・キムワイは、CMやミュージックビデオの監督でキャリアを積んだのち、「暗色天堂」で長編デビュー。台湾・金馬奨で最優秀主演男優賞と国際映画批評家連盟賞にノミネートされるなど高い評価を得た。続いて、貴志祐介の小説「黒い家」を映画化した「死因無可疑(原題)」(2019)は世界各地の映画祭で上映され、2022年にはMIRRORのメンバーとルイス・チョンも出演するTVドラマシリーズ「季前賽(原題)」を監督した。本作が、長編第3作となる。

3月5日、映画祭のメイン会場であるABCホールで日本初上映。上映前には、映画祭全体のゲストを迎えるスペシャル・オープニングセレモニーも開催される。



【「盗月者」あらすじ】

質に入った中古時計をカスタマイズし、違法販売していた修理屋(イーダン・ルイ)は、冷酷な悪徳時計ディーラー(ギョン・トウ)の指示で、ベテラン泥棒(ルイス・チョン)、爆破のプロ(バイ・ジー)、そして若き天才鍵師(アンソン・ロー)の3人と窃盗団を組まされる。ミッションは、東京の時計店にある、ピカソがかつて愛用していた3本の時計を盗むこと。だが彼はメンバーそれぞれに別の思惑があることを最初から見抜いていた。

さらに、初めて月面着陸した貴重な時計「ムーンウォッチ」に遭遇した時、メンバーのひとりが無断で持ち去ったことから、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。果たして彼らは、ヤクザの猛追をかわし、無事香港に帰ることができるのか――!?




「東京カウボーイ」は、3月10日、ABCホールにて海外初上映。東京で働くブランドマネージャーの男性が、雄大な自然の中で真のカウボーイに成長し、恋人との関係性を見つめ直す姿をコミカルに描いたヒューマンドラマとなっている。

主人公を演じる井浦の出演作は、大阪アジアン映画祭では3作上映されている。今回の上映は、「トルソ」「白河夜船」「嵐電」に続く4作目。藤谷文子國村隼ロビン・ワイガート、ゴヤ・ロブレスが共演している。


長編デビュー作となったマーク・マリオット監督は、キャリア初期に山田洋次監督の弟子入りを志願し、山田組の海外現場を手伝った経歴の持ち主。本作のアイデアはこの時の経験から生まれたという。ディスカバリーチャンネルなどのテレビ番組ディレクターやプロデューサーを長年務め、1990年代から短編製作を行っており、「Snow Child」はカンヌ国際映画祭で披露された。共同脚本は、「ホワイト・オン・ライス」のデイブ・ボイル。「ジャングル・ブック」「プーと大人になった僕」「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「トロン:レガシー」「ナルニア国物語」などハリウッド大作を多数手掛けてきたブリガム・テイラーがプロデューサーとして参加している。

「東京カウボーイ」は、6月より全国公開


全上映作品数:63(日本初上映以上の作品数は、世界初上映:14、海外初上映:11、アジア初上映:6、日本初上映:22)

●製作国・地域の数:24(アメリカ、イギリス、インドネシア、オーストラリア、オランダ、カタール、韓国、カンボジア、ジョージア、シンガポール、スイス、スペイン、タイ、台湾、中国、ドイツ、バングラデシュ、フィリピン、フランス、ポルトガル、香港、マレーシア、モンゴル、日本)