⭐第11話
授業中に魂(たま)抜けした古森太郎は、亀岩ダムに男の死体が浮かんでいるのを見る。ダムに浮かぶ死体に騒然となる水天町。太郎、大神信、中嶋匡幸、星野道男の四人も、亀岩ダムへと向かう。駆け付けた駒玖珠孝仁は、そこで信の母・田部早苗の姿を見る。信の母と何らかの関係があることを知った四人は、駒玖珠にその真相を問う。観念した駒玖珠は、30年前、亀岩肺病院の呪いの部屋を信の父・大神英夫、現水天町町長・矢崎基、早苗の四人で訪ねていたことを明かす。



⭐第12話


Homeostasis Synchronization 
亀岩ダムに浮かぶ死体の身元ははっきりしないまま、数日が経過した水天町。古森酒蔵では仕込みが最終段階を迎え、町は慌しさのなかにも、いつもの日常を取り戻しつつあった。東京から古森太郎のカウンセリングに訪ねていた平田篤司は、相談を受けるうち、幽界(かくりよ)での太郎たちの活動が進化していることを知る。一方、以前、ダム湖の死者に憑依された駒玖珠都は、再び何者かに憑依されるのだった。



⭐第13話



⭐第14話

Emergence Matrix 古森太郎、中嶋匡幸、星野道男は、駒玖珠都が発した「吾は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言離(ことさか)の神」の意味を調べていた。そしてそれが『古事記』に登場する一言主神(ひとことぬしのかみ)の言葉であることを知る。太郎のカウンセリングを行っている平田篤司は、駒玖珠孝仁からの依頼で、都が憑依される原因を催眠療法により探ろうとするのだが……。


⭐第15話


Toward an Abandoned City 以前、魂(たま)抜けし、麪室の酵母菌が活性化する様子を見た古森太郎。杜氏である瘧師慧の造る酒が失敗した原因が、自分にあると責任を感じる。また、祖母・大神姫子の死は、一言主神(ひとことぬしのかみ)が憑依した駒玖珠都に姫子の死を願ったことではないか、と自責の念にかられる大神信。二人は久間田行きのバスで出くわす。一方、中嶋匡幸と星野道男は、水天町を訪れている鈴木誠一の本当の目的を掴んでいた。



⭐第16話


Hopeful Monster 
久間田を訪れた大神信の目的は、11年前の水天町幼児姉弟誘拐事件と父・英夫の自殺との関係を、母・早苗から聞き出すことだった。早苗が営む居酒で、早苗の庇護者らしい貝原直人と出会う信と古森太郎。二人は貝原の案内で、早苗が身を寄せる家へと向かう。信は何年かぶりに再会した母を詰問し、父の自殺と11年前の事件の真相を訊こうとする。しかし、それでも早苗は頑なに話そうとはしない。隠し持っていたナイフに手をかけた信は……。


⭐第17話


Implicate Order


 駒玖珠孝仁は、娘・都の体の具合を心配していた。一言主神(ひとことぬしのかみ)に憑かれる症状が深まっていると感じていたからだ。一方、都は突然別の人格になることがクラス中に知られるようになり、気味悪がられていた。古森太郎はそんな都に、どうして自分が心惹かれるのか、その理由が分かった気がして、そのことを伝えようとする。しかし、都にとってそれは残酷なものだった。

⭐第18話

Holographic Paradigm 
久間田に留まり、父・英夫の自殺の真相を探ろうとしていた大神信の元を、貝原からの差し入れと伝言を持って瘧師慧が訪れる。時を同じくして、水天町ではダムで発見された死体を巡って、大日本バイオインダストリーの鳳麗華の元を「ふるさとジャーナル」の記者・鈴木誠一が訪ねていた。鈴木は11年前に水天町で起きた幼児姉弟誘拐事件と、その約1年半前、西日本の広範囲で起きていた児童行方不明事件の関係について調べていたのだ。

⭐第19話


Negentropy

 父・英夫の自殺の真相を知った大神信は、炎に包まれた貝原邸から自殺を図った母・早苗を救い出す。久間田総合病院で、再び出会う母子。しかし、早苗はこれまでの記憶を失い、信を30年前の高校生だった頃の英夫と勘違いしていた。その様子に慄然となる信。また、病院には亀岩神社の石段で、意識不明の重傷で発見された駒玖珠孝仁も運ばれていた。中嶋匡幸とともに、久間田総合病院を訪ねた古森太郎は駒玖珠都を見かけ、その顔が別人のようであることにショックを受ける。

⭐第20話

Shaman's District 

駒玖珠都の様子がおかしいことに、責任を感じる古森太郎。水天町の家々には、大神拝霊会の信者であることを示す御幣が下げられ、かつての勢いを取り戻しつつあった。太郎の母・美樹は、11年前に亡くなった筈の瑞香が庭にいたことを太郎に話す。その言葉に、太郎は母が「壊れて」しまったのではないかと戦慄する。さらに古森酒蔵には、瑞香に会えることをほのめかす、大神拝霊会の信者が訪れていた。

⭐第21話


Stochastic Resonance 

大神拝霊会の勢いが増すにつれ、水天町には数多くの鳥居が構えられるようになった。二つの台風が接近する中、町は異様な空気に包まれる。駒玖珠都は、加畑憲子らによって新たな大神様になることを強いられ、奉られていた。そんな中、亀岩神社の境内に集まった古森太郎、大神信、中嶋匡幸、星野道男、鈴木誠一、平田篤司、鳳麗華、猿田は、都を助けたい、という太郎の言葉に同意し、この異様な水天町を打開する方策について話し合う。


⭐第22話


Passage 「龍神が降りてくる」


――大神拝霊会の新しい教祖、駒玖珠都の言葉に呼応するかのように、水天町には日本をはじめ世界各地の修験者やシャーマンが集まっていた。また、小学生が強制的に教祖をさせられている、という鈴木誠一のタレコミにより、数多くのマスコミが水天町を訪れ、一時町は騒然となる。都を救出するため、巫女姿に女装した古森太郎は、鳳麗華とともに大神拝霊会へと向かう。首尾よく、教祖である都に接触することに成功した太郎だが……。