[Alexandros]が12月8日、国立代々木競技場第一体育館にて<But wait. Arena? Supported by Panasonic>の最終公演を開催した。代々木に歓声とシンガロングが帰ってきた圧巻の一夜のオフィシャルレポートをお届けしたい。






アルバム『But wait. Cats?』を引っ提げて7月から続いてきたツアー。その締めくくりとなるアリーナ編<But wait. Arena? Supported by Panasonic>は愛知・ポートメッセなごや、大阪・大阪城ホールと巡り、ついに東京に辿り着いた。ファイナルは国立代々木競技場第一体育館での2DAYSだ。



11月4日に音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインが改定されたことを受け、東京の2日間は観客の声出しが条件付きでOKに。ようやくロックバンドのライブに歓声とシンガロングが帰ってきたのだ。そんな“追い風”を受け、[Alexandros]の本領が思い切り発揮されたツアーファイナル、ここでは2日目、つまり正真正銘の最終公演の模様をレポートする。最高で最強のロックショー、そして[Alexandros]にはやっぱりみんなの“声”が必要だということを実感する、圧巻の一夜だった。







各地の映像をつなぎ合わせてツアーを振り返るオープニングムービーに続き、カウントダウンとともにおなじみ「Burger Queen」が流れ出す。その音が突如乱れたかと思うと、アルバム『But wait. Cats?』の幕開けを飾る「Aleatoric」が鳴り響く。川上洋平が叫ぶ。「トーキョー!」──強烈なインパクトとともにスタートしたライブは、いきなり「Adventure」で最初のハイライトを迎えた。何も言わずとも、この曲をここに持ってくるということは“歌え”ということだ。客席に向けてマイクを掲げる川上。久しぶりに感じる[Alexandros]のライブの一体感。その空気に背中を押されるように、バンドの演奏もどんどん熱を高めていく。リアド偉武がイントロのビートを叩き出した瞬間から歓声が上がり、川上に加えて磯部寛之と白井眞輝もさらに客席を煽って、熱い一体感を生み出した「Waitress, Waitress!」、そして「(サッカー)日本代表に捧げます!」という川上の叫びとともに始まったサッカーアニメ『アオアシ』の主題歌「無心拍数」……縦横無尽に繰り出される楽曲が、高揚感をどこまでも突き上げる。



「最高の夜になってます!」と川上。リアドの叩くドラムにのせて「我々の先輩の曲をやってもいいですか?」とおもむろにセッションを始める。AC/DC「Back in Black」、レニー・クラヴィッツ「Rock’n’Roll Is Dead」、そしてガンズ・アンド・ローゼズ「Paradise City」。彼らのルーツを辿るような貴重なセッション。アンガス・ヤングからレニー、そしてスラッシュと、次々と名ギタリストを憑依させながら弾き倒す白井はどこまでも楽しそうだ。