リーダー論④は、西郷隆盛です。
言わずと知れた、幕末から明治初期にかけて大活躍した、薩摩の人物です。
若い頃は過激な面もあり、策略家でもあったようですね。
身体も、心も、とにかく大きな人物。誰に接するのも丁寧な姿勢。感情豊かで、人格者であり、多くの人の心を引きつけました。
晩年は、考えの違いもあり、同郷の大久保利通と袂を分かち、非業の死を遂げますが、ある意味、筋の通った生き方をしたと思われます。
その西郷の当時の生き方、考え方などが、遺訓、という形で残っています。その中に、リーダー論として、大変参考となる記述がいくつもあります。
私が、これは、と思ったのが二つ。
一つは、組織の役職には、徳の高い者をつけよ、です。決して仕事ができる、できないで、決めるものではない。上に立ち、人を率いるためには、人格、徳の高さが強く求められる、ということです。
では、仕事の成果は十分だが、人格が今イチの人には、どう処遇するか。そういう人には、報酬、お金で処遇しなさい、と言っています。
人事の妙ですね。
二つ目は、あまり仕事ができない人に対しても、良い所を見てあげなさい、ということです。
これも、リーダーとしての鉄則だと思います。なるべく、人の長所を見てあげて、そこを徹底してほめて、伸ばしてやる。上司は、ついつい、部下のできない部分に目がいきがちですが、それでは、人は成長しません。部下を成長させるのがリーダーの使命です。
さすが、西郷。人間の機微を良く分かっているな、と感じます。
