世界三大美女に数えられるクレオパトラ7世。

古代エジプト、プトレマイオス朝最後の女王であり、強大なローマの時の支配者、カエサルとアントニウスをどちらも夢中にさせたことで知られています。


「大した女たち」、時々美容録


クレオパトラは18才の時に弟と結婚し、エジプトの女王として君臨します。


彼女はずば抜けて頭が良い女性でした。

当時のエジプトには、沢山の言語を使う民族が住んでいましたが、彼女は父親や弟でさえ分からなかったエジプト語を操り、支配下の民族の全ての言語を話すことが出来ました。

そして軍事にも堪能で、共同統治をしていた弟よりも格段に有能な女王でした。


しかし、この明晰さが仇となり、彼女を排斥して国を操りたい家臣たちに罠に嵌められ、クレオパトラはエジプトから追放されてしまうのです。
更に、弟からは命を狙われることになりました。


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ここからクレオパトラの巻き返しが始まります。

当時、エジプトを属国にしていたローマの執政官、カエサルがエジプト入りしたと聞いた彼女は、直ちに行動を開始します。


何と丸められた絨毯の中に隠れ、家来に命じて貢物だと言って、カエサルの部屋に届けさせたのです。

そしてまんまとカエサルとの面会
に成功した彼女は、彼に自分をエジプトの支配者にしてくれるよう頼みます。

カエサルは絨毯の中から表れたこの美女を歓迎し、彼女をエジプトの女王として認めることを約束します。

こうして、かつてクレオパトラを追放した弟が、今度は追放される身となったのでした。


「大した女たち」、時々美容録


この後、カエサルはローマで反乱に遭い、命を落とします。
強大な力を持つローマの次の支配者は、アントニウスという武人でした。


クレオパトラはアントニウスに、彼の敵方に味方をした経歴があるかどで尋問のため呼び出されます。

アントニウスの前に、彼女はきらめく金の船を銀の櫓で漕がせて、優雅にナイル川を下って現れたのでした。


クレオパトラは、天性の演出家でした


恋愛戦においては、「めくるめく恋」「こんな女は初めてだ」と言わせる仕掛けを沢山施し、負け知らずだったのです。

どうすれば気を引くことが出来て、どうすれば恋心を操れるかを知り抜いていたのです。


そして男性が艶やかで美しいクレオパトラに釘付けになった所で、じっくりと、英知溢れる会話で舌を巻かせて骨抜きにしていったのです。


晴れ晴れ

まずはカエサルに会った日のクレオパトラ。


巻かれた絨毯から急に転がり出てきたほっそりとした女性。

その女はまだ若々しい面差しにローマでは見かけない化粧を施し、艶然と微笑んでいました。

そして目にも綾なすらりとした体を優雅に立たせると、「エジプトの女王、クレオパトラです」と物柔らかな声で名乗りました。
その声は管弦の調べのように心を震わす、優しい響きを持っていたと言われています。


大ローマの支配者でも、こんな女は初めてでした


晴れ晴れ


クレオパトラは、自分の美貌を熟知していました。


金髪美人の地、ローマから来たカエサルにとって、彼女の黄金の肌や黒い髪、エジプト式の黒いアイラインは新鮮に映ると知っていました。


彼女は更に、孔雀石を砕いた粉を使ったオーロラに瞬くアイシャドウで、よりその美貌をエキゾチックに際立たせたのでした。


そしてカエサルは、クレオパトラと世界中のあらゆる言語を駆使した会話を楽しみ、すっかり彼女に魅了されてしまったのでした。