手元にやって来た古い写真帳。昭和10年代から30年代初めまでのファミリー写真帳だが、人間ばかりが写っていて面白くない。
そのなかになぜか場違いも甚だしい数葉の写真が。
記念大会、昭和十三年とだけ書き込み。なんの集まりかはわからない。写真正面演台の横に掲げられた幕、演目の文章を読もうとしたけれど、読めない。
おおお、大物が来てるな。なにをしゃべっているのか、この顔を見ればだいたい想像がつく。あのカン高い声で、‘今こそ満州における我が帝国の権益をひろげ、ますます国力を涵養すべき時なのであります’とか言ってる。
右下の縦細の紙に‘内閣総理大臣’とあるが、それがこの東条の座っていた席だったとすれば、昭和13年の写真ではない。東条の首相就任は昭和16年だ。
またもワルの大物。満州に暗躍したいわゆる‘2キ3スケ’である東条英キ、星野直キ、岸信スケ、鮎川義スケ、松岡洋スケのうち‘1キ1スケ’が会した軍政肝いりの大イベントだったようだ。
木戸幸一。東条の首班指名を主導した男。
東条の姿が見当たらない。それにしても岸の妖怪顔はすぐわかるな。
なにやらよくわからない、意味のないイベント。日本人はこういうの好きだよね。
いずれも見たことのない写真だったので、わざわざ載せてみた。