ジェット戦闘機Me262 | 健全なVINYL中毒者ここにあり

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渡辺さんの著作は問答無用で読みたい。暑さしのぎにぶらついていたいつもの古本店で、渡辺さんの著作がまとめて並んでいた。ウオー!、と盛り上がったなあ(レコ屋ではときどきある事態だが、本屋では珍しい)。さすがに読んだことのある著作が多く、ほんの数冊のみ購入。そのうちの一冊が今回のこれ。数十冊の‘積ん読本’を乗り越えて、さっさと読み出した。

 

‘ドイツのレシプロ機に大して魅力を感じない私にとっても、Me262は別格だった’とは渡辺さんの弁。英独によって大戦後期に小規模に運用されたジェット戦闘機のなかで、このMe262は代表格。というか、ほぼ唯一の存在。俺はその姿以外はなにも知らなかったのだが、渡辺さんのいう‘日本の航空技術とは比較にならない“凄み”、機械の国の底力’を知ることになった。

 

その圧倒的な速力、火力などはレシプロ機など相手にしないはずのものであったが、運用方法の不明もあって戦果は期待ほどではない。ドイツが圧倒的に不利な時局だったゆえ、といってしまえばそのとおりだが、もうちょっと活躍の場が与えられていれば、と思わざるをえない。しかしやはり、ここはやはり渡辺さんの‘劣悪な環境にたえて開発し、作り、戦い続けた人びとの努力にこそ、目が向けられるべき’という言葉をよしとしたい。

 

平成2年 (原著は昭和57年)

朝日ソノラマ

渡辺洋二 著

 

購入価格 : \110