永田町辺りに出たついでに、銀座界隈まで足を伸ばした、GW前の4月の下旬。

お目当ての『10000年後の安全』の上映時間に間に合わず、「ダンシング・チャッ
プリン」も満席と知り、結局、観たのは、ソフィア・コッポラのsomewhere。

セレブで自堕落な生活を続ける、俳優である父と前妻と暮らす11歳の娘とのハートフル
なヒューマンドラマがうたい文句だったが

フェラーリの滑走から始まり、伝説のホテル「シャトーマーモンド」を生活の舞台と
したストーリーにつき合うのは、忍耐が必要だった。

11歳の娘はソフィア・コッポラ自身ではないのかの解説もあり、私小説的な映画は
父親役のステーブン・ド―フをフランシスココッポラと二重写しにさせる。

somewhereは2010年のヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した作品と
云うう事だが、仲間内で受け合っているのが透けて見える。

時代を射抜く作品のレベルでは当然ないのだが、富裕層の回顧趣味へつき合うのは
退屈極まりないものだった。

心晴れず、力を得られず、GW前の銀座有楽町を後にしたのだった。