節電運行のためか、渋谷に出るのに時間を要してしまった。
東急文化村を越え、瀟洒な家並みを見渡しながら、観世能楽堂に到着できたのは
正午前であった。
薄らと汗を滲ます五月晴れ。能楽堂内の落ち着いた佇まいに身を置くと浮世の憂さも晴れると
云ったらいいのか、心静まるのを覚える。
○観世能楽堂
http://www.kanze.net/index.php?id=30
写真は別のものです。
予告
鵜沢久の会 第2回研究公演
平成23年6月11日(土)午後2時開演 於・喜多六平太記念能楽堂
能 通盛 他 ―女性地謡による―
1時間ほど観劇した後、千歳烏山の路上演劇祭へと向かうおり、今日の催しを知らせてくれた
鵜沢久後援会長に連れられて、スタバでモカアイスをいただく。久々の旧交を温めた。
井の頭線に乗り、明大前で京王線に乗り換えるのだが、「各停」を見送り、下高井戸で追いつく
はずの準急に乗ると、調布までノンストップであることを知る。また、準急ではなく準特急に乗車
したことをしるのであった。
余分なロスタイムをしてしまい、会場の烏山区民センター広場前についたときは、14時を少し
回ってしまったのだった。
お芝居デリバリー まりまりはメキシコ2010年に巡演した演目の一部を
スペイン語を混じられながら演じられた。
○お芝居デリバリー まりまり
http://white.ap.teacup.com/marimari/
トリはCerro Huauchipa セロ ウアチパの演劇『ダビとパブロ』
内容は、スラム街の子供たちについての話であり、ペルー人のセサルさんの姉を題材にした
とのことだった。
働いても働いてもお金に恵まれず、食事にも事欠くスラム街の日常の中で
ダビとパブロの二人の少年の交友が伝えられる。
ハイチの地震やスマトラ沖地震後の被災者の厳しく悲惨な生活現場の報道は
スラム街の生活と重ねて見てしまう点があったが、日本の東日本大震災にあっては、
美談の放送は溢れるほどあるが、困難な生活者の実情は伏せられているのかと
思うほど伝えられない。
それとも、今は緊急避難の段階であって、生活困難者の問題は、これからのことなのだろうか?
演劇『ダビとパブロ』を観ながら、そんなことを考えてしまった。
スラム街の生活は、決して他人事ではないのかもしれないと痛感するのだった。
スペイン語と日本語を交互に詩を読み上げ、新聞紙を細工した衣装のシュールな場面
路上演劇祭のフィナーレを、トランペットの演奏で締める。
会場には、太田昌国さんも来られていたし、元キングストーンズメンバーと自称される方や
黒テントのメンバーだった成沢さんも演劇祭に参加されていた。
外国につながる人々も多く見えていた。
能楽も、路上演劇もつかの間もひと時ではあったが、5月の陽気のように清々しくあった。
母の日であったこともあり、
90歳の身で元気に1人で暮らす母の住む実家に、にささやかなケーキを持って立ち寄り
GWの最終日、私にとっての平成23年5月8日の締めとしたのであった。