不穏な情況は変わらない。


町田でも、不吉な雨が降る。


そんな重たい心を引きづりながら、ぽッぽ町田での「渉外交通事故」の勉強会に参加。



講師である行政書士の先生から、外国人が日本で起こした交通事故についての裁判管轄や


準拠法、外国人が被害者であることによる特殊性、自賠責保険、積極損害、休業損害、


逸失利益、慰謝料の各項目に亘って、コメントが、逐次加えられた。


基本的には、日本人の場合と違いはないのだが、在留資格及び不法滞在、不法入国などに


よって、損害賠償の算定に差がでていることが判例の引用を通じて説明された。


また、保険の約款には、特に外国人についての記載がないことと、弁護士、司法書士に


加えて、行政書士と法律相談について保険が下りることが記載されていることを強調された。



外国籍であることによって生じる日本人との処遇の差についての納得性は、当事者には


得にくいと思われるが、事故に遭遇された外国人にとっては、起きた事故状況への的確な


認識や適用される法律知識の欠落、相手側との意思疎通など課題が多いことは十分に


想定される。


今日学んだことを、外国人の当事者にどのように理解できるように伝えるのかは、極めて


難儀な問題だ。


1週間前の同じ土曜日には、桜木町の横浜市民活動センターにて、


神奈川コミュニティカレッジ主催の「多文化ソーシャルワーク実践者講座」を終了した有志で


始めた「自主研修会」でも、犯罪を犯し、刑務所、拘置所へ収容されている外国人に対して、


通訳をされている方から「加害者並びに加害者家族」の支援活動の実情についての報告を受け、


理解を深める機会を得た。


折しも、東日本大震災が起き、外国人の対応についても話が及んだ。


被害者家族の支援の事例については多く耳にするのだが、加害者家族の支援については


自主研修会に参加された中には、抵抗を示される方もいた。


その中で、社会福祉事業大の博士課程で学ぶハンガリー人の男性から、加害者を生むことは


社会的なコストであり、ソーシャルワークを通じて解決すべき課題でもあるとの発言があり、


次回に「加害者は社会的コスト」論をさらに深めるための発表を依頼し、「自主研修会」を終了。



刑務所、拘置所へ収容されている外国人は、物理的にも、社会から孤立されているのだが


収容施設内でも、言語が通じず孤立感は日本人犯罪者と比べても尋常でない。


その上、家族も離れてしまう事例も多く、心の支えを失い、心理面でも不安定だ」そうだ。


一方では、外国人犯罪者の家族は日本人社会のみならず、外国人コミュニティからも排斥され、


孤立感を深めていくとのことでもあった。


加害者支援という難題な上に、外国籍犯罪者とその家族への支援にソーシャルワーカーとして


どのように立ち向かうのかが問われ、さらに地震、津波、原発事故が重なった東日本大震災


という現実が重なり合い、第1回目の自主研修会は色濃いものとなった。


昨日の「渉外交通事故」のテーマも知識の習得に止まらず、その知識を外国人当事者への


支えとなるよう活かせるものにしなければならないと思うのだった。