仙台駅から終点の泉中央まで約15分、地下鉄・南北線に乗り、そこから
バスで20分ほどすると泉アウトレットの停留所・寺岡6丁目に到着した。
●泉パークタウン
http://www.izumi-parktown.com/hp/town/event_topics/output.php
街開きから35年、緑豊かな泉パークタウン内に位置する米国東北部の
家並みをイメージしたという施設が、泉プレミアム・アウトレットとライフ
スタイルセンター・タピオが道路を挟んで並んでいる。
●仙台・泉プレミアム・アウトレット(チェルティー・ジャパン)
http://www.premiumoutlets.co.jp/sendaiizumi/
駐車場に停まっている車のナンバーは宮城、仙台を中心に福島、山形、
岩手と近郊の県が多いが、大宮ナンバーも目についた。
行きのバスで、下車した人は4-5人だったことを考えると、ほとんどが
車での来店なのだと判断される。
泉プレミアム・アウトレットとライフスタイルセンター・タピオにはブリッジ
が掛けられていて人々が行き来しているのだ。
アウトレットは、15500㎡の面積に80店舗が配置されている。
規模と展開ブランドからみて、次女の通っている都立首都大・東京に隣
接した多摩南大沢の三井アウトレットクラスと思われる。
アウトレットだけを取上げると、とりわけ評価する点は乏しいと思われ、
チェルシーは三菱の無理強いもあってか、恐る恐る出店したのではない
かと想像される。
一方の、タピオはフローリング使いの床通路や随所にユーテリティスペ
ースが確保されていて、パークタウン内の顧客を意識したクラス感とナチ
ュラル感をうまく醸し出していると思った。
●ライフスタイルセンター「タピオ」
また、2階の一角にあったイタリアのフレンツェで誕生した『ヴァイス・ヴァ
ーサ』はインテリア雑貨を中心にしたおしゃれな世界のデザイン雑貨に
ケーキデコレーションが売り物の<wilton>やフォトデコレーションの
<スクラップブッキング>などが併設されていてライフスタイルがトータ
ルに体感できるのだ。
その並びの『デリ&ウィズ』はリーズナブルでエンターティメントなファン
シー雑貨や輸入菓子でいっぱいの店内だ。
『ビルド・ア・ベア・ワークショップ』は縫ぐるみの毛皮に綿やハートを詰め
て命を吹き込み、洋服、靴を履かせてドレスアップし、出生証明書を作っ
て家に持ち帰るなど、アメリカ生まれの体験型のエンターメントショップだ。
昨今、百貨店ではお目にかかり憎くなったショップが並ぶ。
●viceversa (ヴァイス・ヴァーサ)
http://www.entrex.co.jp/shops/
●デリ&ウィズ
http://www.fashiongoods-wiz.jp/shop.php?name=deli-wiz-tapio
●ビルド・ア・ベア・ワークショップ
http://www.buildabear.jp/about/
同じフロアの対極にあるフードコートにはモスバーガー、クレープに築地
銀だこ、讃岐うどん、手打ち冷麺、スーラー湯麺、焼そばなどB級グルメ
が勢ぞろい、日曜日の昼下がりとはいえ多様な年代のファミリーでごった
外に出ると、アウトレットに隣接した仙台ロイヤルパークホテルの威容が
エリアのグレード感を一段と高めているようだ。
●仙台ロイヤルパークホテル
http://www.srph.co.jp/
泉パークタウンは、仙台のベッドタウンであり、高級住宅地が林立してい
るエリアと聞いていた。
本来なら商業施設の核には百貨店が誘致されてしかるべきだと考えるの
だが、デベロッパーにとって、今や百貨店は誘致する対象としての魅力に
も欠け、郊外立地では百貨店業態としてやりきる力も有していないと判断
されてのことなのだろう。
現在の百貨店の力量からして、郊外に有名有力ブランドを導入する力は
ないとを見限っているが故に、ラグジュアリーブランドを集積する方法とし
て、アウトレット業態を日本的に開発導入し、郊外百貨店の悲惨な事例を
踏まえ、三菱にあってはダイヤモンドシティーのノウハウ、三井において
はららぽーとのノウハウを駆使して、昨今の地方、郊外の店舗開発を成
し遂げてきたのだ。
特に、不動産系デベロッパーは「街づくり発想」と無縁には商業施設の
開発はできない。商業施設の建設だけが自己目的化されることはない。
この後、市中の三越、藤崎、さくら野を巡り、愕然とするとともに不動産系
デべロッパーの開発手法をさもありなんと首肯せざるを得なかったので
あった。