6月20日が世界難民の日だったことも気付かず、6月23日に渋谷アッ

プリンクファクトリーで「バックドロップ・クルディスタン」を見たのであった。


●NO HOME YES HOPE  6月20日世界難民の日キャンペーン

http://www.japanforunhcr.org/wrd2009/


数年前、カザンキラン一家が強制送還の危機に立たされていた頃、

難民支援協会主催による支援の集会が催され、現場でしか真実は解ら

ないとの思い強く、私はその場にいた。


その時、父と長男がまだ収容されたままで、その他の家族が集会には

出席されていたことを記憶している。また、この時にマンデート難民なる

言葉を知ったのだった。


●難民支援協議会

http://www.refugee.or.jp/jar/topics/announce/2005/02/07-0000.shtml


そんな意識下での繋がりがさせたのか、今回のアップリンクの企画に

参加した動機にもなっている。


「バックドロップ・クルディスタン」を見た週末、何気なく合わせたチャンネ

ルでは、UNHCR駐日事務所を舞台にしたドラマ「風に舞い上がるビニー

ルシート」第4回が放映されていた。


たまたま見た第1回、TVの中の吹石一恵さん演じるヒロイン工藤里佳が

外資系銀行から更にキャリアアップを目指してUNHCRに転職してきた

様子が溌剌とした言動と共に描かれていた。


国際化された現代日本女性の典型が工藤里佳によって体現され、それ

を吹石一恵さんは見事に演じるのであった。

「ハゲタカ」の栗山千明さん演じる三島由香に負けず劣らず画面いっぱ

いに魅力を発散されるのでもあった。。


●NHK土曜ドラマ「風に舞い上がるビニールシート」

http://www.nhk.or.jp/dodra/kaze/index.html


UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは世界中の紛争や迫害によっ

て難民となった人々を保護し難民問題解決に向けて活動する国連機関

であることは緒方貞子さんの存在を通じて承知されていることだが、

そこで働く人々の実情については、計り知れない部分が多く、このドラマ

によって理解の進むものになったのではないだろうか。


このドラマの脚本家、宮村優子さんは原作者・森絵都さんの本の帯に書

かれていた「お金より大事なものをもって生きている」を見て、お金よりも

大事なものという信仰を疑いつつも、同時に日々お金を品物に換えること

しか考えていない自分自身をも壊してみることをこの作品の中で企てたと

述べられている。


番組でも、ヒロイン工藤里佳は「お金が別の何かを生み出すところを見て

みたい」とUNHCRへの志望動機を語る。


この番組の製作統括である遠藤理史さんは「面白いだけでなく歴史に残る

ドラマになる」と確信をもって主張される。


ヒロイン工藤里佳は「ハゲタカ」時代の発想の残滓を引き継ぎながら、

「風に舞い上がるビニールシート」の中で世界の戦争の惨禍、貧困の

悲惨さを目の辺りにし、自己変革を強いられていくのであろうか。


「風に舞い上がるビニールシート」は大転換後の時代を指し示す新たな

グローバルスタンダードを作品を通じて提示していくのか。

最終回は今週の土曜日、7月5日NHK総合で午後9時から始まる。


●NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」

http://www.nhk.or.jp/hagetaka/story/outline01.html