連続セミナー第2回「フェアトレードの現場から」のテーマは
フェアトレード普及の取り組みとして、学生ネットワークの現状と
チョコレボについての二人の活動家による報告が行なわれた。
お一人目は、seikei fair friend代表 寺田恵美(成蹊大学大学院生)
「あなたも必ず起こせます!フェアトレードムーブメント」について
ご自身の経験を踏まえて、数々の活動事例を丁寧に紹介された。
●seikei fair friend ブログ
http://ameblo.jp/seikeifairfriends/
2005年3月 タイスタディーツア
2006年3月 カンボジアスタディーツア
2007年10月 タンザニアスタディーツア
に参加する中で、日本では猛烈に働いている人が多い一方で、生き辛く
感じている人も多い。
「それに比べて、生活は日本より貧しいが、幸せ一杯の表情をしている人
ガ多いのは何故か」と自問する寺田さん。
「飛行機の行ける場所で食料飢饉で苦しんでいる子供たちがいるのに、
大量の食料を簡単に捨てる」日本の現状を憂う寺田さん。
「普段私たちが食べているものや身につけているものを実際に作って
いる人の苦労や様子を知れば」感謝の気持ちが芽生えてくるはずだ
と気づいて寺田さん。
寺田さんはフェアトレードに興味を抱いた自らの体験を活き活きと語り、
日本でのフェアトレードの普及への活動を一歩一歩進めていく取組み
をきめ細かく報告される。
まずは学生に向けてのフェアトレードコーヒー・紅茶の試飲会やワー
クショップの開催から始めて、教職員にまで理解を求める活動へ発
展させる。付属の小学校から近隣の小学校までのフェアトレードに対
するオリエンテーションへと活動の輪を広げ、ややもすと保守的な大
学から表彰されるまでに至ったことを時間のオーバーを気にしつつも
詳細に伝えようと努められた。
●ftsn(フェアトレード大学ネットワーク)の存在も忘れずアピールする
浅田真央ちゃん似の寺田さん。
お二人目は博報堂の社員で、チョコレボ実行委員会の多田敦洋さん。
「マーケティング視点で考えるフェアトレードの浸透の可能性」について
パワーポイントで図表を駆使し、さながら広告会社からのプレゼンをう
けているような気持ちにさせられた。
チョコレボキャンペーンを参考にしながら、フェアトレードが日本市場で
浸透していくために何が必要であるのか、フェアトレード市場を活性化
するためのポイントをシャープな語り口で説明された。
●チョコレボ実行委員会
http://www.choco-revo.net/about.php
多田さんはマーケティングとは「市場を動かしていく力点を見つける」
ことと明確に言い切られた。
博報堂のセオリーなのか、ご本人の確信なのかは定かではない。
社会起業的な活動にとって、資本主義の権化ともいえる広告会社の
発想は決して、無視することができない手法であろうと得心がいく説明
が続く。
企業とのコラボの仕方についても①ストリー建て、アウトプットイメージ
を訴求して「ココロを動かす」、②マーケティングデーターやスタッフリス
トを提示して「納得を作る」と手の内も明かされる。
フェアトレードとの関わりはピープルツリーのサフィア・ミニーさんとの
出会いによるという。なるほどなーと理解する。
フェアトレードにはファッション、トレンドといった引力があるように思え
る。社会起業化するには重要な要素だろう。
若い人々を引き付けていくためには理論理屈だけでは自ずと限界が
会場からの質問に、丁寧に答える両名。
1回目のフェアトレードを具体的に実践している人たちに続き、フェア
トレードを広げ、国内にも普及させようと奮闘されるフレッシュ感漲る
大学生と広告マン。
平成20年12月5日号
http://ameblo.jp/alucky491112/entry-10174171957.html
平成20年12月6日号
http://ameblo.jp/alucky491112/entry-10174310101.html
フェアトレードの確実な輪の広がりに意を強くすると共に、多文化共生
型社会が日本に根付くためにも、フェアトレードスピリッツは欠かすこと
のできないと深く信じるものにとって、二人の若者の活動が今後も怯む
ことなく継続されることを祈念する次第だ。
私は、私の「場所」で、こうした若者の活動と連帯しながら、大転換の時
代の行き先が、人間と自然を大切にする社会となるように取り組みを推し
進めたいと思う。