横浜イルミネーションナイトを楽しむべく、桜木町駅を始点に、汽車道

赤レンガ倉庫を経て、久々の大桟橋ターミナルへ。

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日はとっぷりと落ち、薄暗い中を、、ウッディな屋上広場をかすかな明

かりを頼りに3塔が見えるビューポイント地点を探し廻る。


屋上広場に配置されている幾つかのベンチではカップルが周囲を気に

することもなく寄り添い、見詰め合っている。早めのメリークリスマスか。


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舳先(へさき)とされるところまで行くが見つからない。

周囲の海に目を遣ると、暗く重たい、そして深い。


ほのかに明るい光が浮き上る赤レンガ倉庫のある陸からは、10数人

の一団が声を掛けながら走っている。一列に並んで走るさまが明かり

の照らされた小屋を過ぎていくとき、巨大な走馬灯のようでもあり、動く

影絵でもあった。


ここでは、横浜イルミネーションシティーの華やかさは押さえられ、

「横浜抒情」という、ノスタルジックな中にも異国の趣を漂わせながら、

セピアナ空間が保たれている。


いつしか辿り着いた3塔が見えるビューポイント地点から、顔を上げ

遠くへ視線を注ぎ、秘かに見えるキング、クイン、ジャックの塔に目を

凝らす。


横浜イルミネーションナイトツアを付き合った、40を過ぎた独身の男は

「3塔が見える地点を巡ると、願い事が叶う」という言い伝えを引合いに

出して、人知れずにか、決意の表れか、表情を引き締めるのであった。


その晩、焼酎のおいしい店と、ブラジルのサンバを売りにしている店に

寄り、一日を反芻するのであった。