今年の春、北海道の道東地区を回りました。北海道の春、

秋も良いでしょうが空気が澄み渡り本当に肺の奥まで浄化されるのでは、と思ったくらいです。

ところで気になったのは、この地区のいわゆる観光道路沿いのパン屋さんが軒並み
「北海道産“はるゆたか”使用」をうたっているのには驚きました。

北海道に本社がある製粉会社の営業マンYさんの言葉を思い出しました。

「ここだけの話ですが、北海道のパン屋さんが北海道産の小麦粉を使いたがらないんですよね。」

軒並み“はるゆたか”使用というのはどう考えてもヘンです。

でもパン屋の末席にいる私には理解できました。

実は北海道産の小麦粉、即ち国産小麦粉といのは含有蛋白量が少なく、

製パン性には適してない、そして小麦粉の単価が高い(外国産に比べて約2倍)と言うことです。

小麦蛋白の含有量が少ないと何故製パン性に適していないかと言いますと、
パンの定義として「酵母等の作用により蛋白に働きかけ、

“二酸化炭素”とアミノ酸等の“旨み成分”に成分に分解される。」とあります。

つまり二酸化炭素によってパンを膨らまし、同時に“旨み成分”の効力を上げます。

因みに蛋白の含有量は、外麦が12~16%に対し内麦は5~8%程度です。

“はるゆたか”でも8%程度でしょう。つまりパンとして膨らまない、

そして味も良くない、オマケに値段が高い、、、これではパン屋さんが使いたがらないのも

頷けます。

つまり、全体の数パーセントしか使用して無くても、

殆どが外麦であったとしても「北海道産小麦粉使用」とうたえるわけです。



最近は放射能汚染の問題でだいぶ北海道産小麦粉がクローズアップされてきました。

ところがここで注意しなくてはならないのは、発酵促進剤の件です。

つよ―――い発酵促進剤を使用し、北海道産小麦粉使用では何にもなりません。

また最近では外麦は外麦でも、中国産、そしてロシア産のが輸入されているように

聞いております。食品加工品としての輸入です。

ここまで書くと多くの輸入商社を敵に回してしまいそうですが。
(これでパン屋さん、そして輸入商社まで敵に回しました。)

彼らの「手」は加工食品、もしくは調整食品として輸入する方法です。

つまり「原材料の2%以上、他の物質が混入されているものは“加工食品”、

もしくは“調整食品”として輸入可能。」という一文です。つまりココアを2%、

又は粉末コーヒーを2%混入すれば中国産、そしてべクレッているロシア産の小麦粉を

思いっきり安い値段で購入できいるわけです。

もっと詳しく言いますと、輸入するーーー遠心分離機等にかけてコーヒーもしくはココアを抜きだす

ーーー大メーカーもしくは大手製粉会社に売る、、、という仕組みです。

なんでここまで手の込んだことをするかと申しますと、

日本には現在「米、麦等の価格調整」と証しある種の「麦価統制」が行われております。

いくら外国産の安い小麦粉を輸入しても、そのまま輸入しますと税関で高い関税を支払わなくてはなりません。



ところが上記のような「手」ですと、そのまま輸入するよりも70~80%「割り安で」輸入できます。
オマケにこの手の小麦粉は「プレミックス」と称してあちらこちらのパン屋さんに売られます。

「プレミックス」とはその中に各種添加物が含有されており、パン屋さんでは

「水を加えるだけ」の手軽さに引かれ“エキナカ”パン屋、もしくはチェーン店でよく使用されているようです。

またまたオマケに、この種のパン屋さんは「無添加」を標榜している例が殆どです。

いつも申し上げていますが例の一文を思い出してください。

「第一次原材料に予め混入されている場合には、その詳細を明らかにする必要が無い。」

ロシア産の小麦粉使用、そして各種添加物がイッパイ、、、

ベクレルも何もお考えでは無いのでしょう。