モナカの家・・・、もといカサブランカ家の周りにはその親族の人々の家が集まっており、住宅地のような構造をしていた。
だからかもしれないが、道行く人々の大体は、モナカの見知った人達ばかりであった。
モナカが鳥小屋の方へ行くと、人が立っているのが見えた。
今日はカサブランカ家全員、親族共々ほぼ全員が出払っていたので、モナカはあれ、と思いその人をまじまじと見た。
家から少し離れたその鳥小屋は、家の敷地内にあったが、外から入れないということはない。
しかし、-外界生物に自ら近づこうなどという人間は見たことがなかった。
モナカは幼かったので、まだ外界のことを勉強したこともなかったが、それでも皆がそれを恐れている、ということはなんとなく悟っていた。
その人は、鳥の方を見ていた。
近寄ってみると、どうやら少年のようだった。
モナカの知らない人だった。
少年は、モナカには全く気づかず、ただ鳥の方を見つめていた。
モナカはふとその少年に異質な物を感じた。
「こんにちは」
モナカは突然降って来たその声に気付くと、ハッとした。
少年はこちらを向き、人好きのするような顔でモナカを見ていた。
その目を見て、モナカは異質な物がなんであるかを悟った。
少年の、鳥に向けていた目と、今のモナカに向けているものが変わらないのだ。
・・・まるで、鳥とモナカが少年にとって同じ存在であるかのようなまなざしであった。