高校を卒業して数ヶ月。


女子との色恋沙汰もなく。


ときめいたバイト先の男子と事件もなく。


ユウとは相変わらずでした。

今思えばユウは高校受験を控えていたので、当たり前なんですけど、寂しい辛いがいっぱいでした。


3ヶ月に1回ぐらいしか会えない。

会っても好きって言ってくれない。


それでも。

一ヶ月に一度、ユウから他愛もない電話がかかってくるのが唯一の楽しみでした。


ユウは携帯を持っていなかったので、家の電話からの着信です。


指定着信音はELTの恋文でした。


この歌の二番の歌詞がすっごく好きなんです。




たとえば僕のためと言って君がついた嘘なら

僕にとってそれは、本当で

会えないこの間に君が少しずつ変わっても

想い続けられたら




この歌が鳴り響くことだけを楽しみにバイトをしてました。



ところが2ヶ月も恋文が聞こえない期間が続きました。


辛い。寂しい。会いたい。声が聞きたい。


乙女のような思考回路はショート寸前です。

それでもユウが大好きで。

嫌いになんてなれなくて。

他に好きになる人もいなくて。



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