交差事件

第1章 2人が嫌いな世界 上

1年前の今日。
私のいる中学に、転校してきた。
「はじめまして
小島彩奈です
みなさんとお友達になりたいと
思っています
みなさん
これから3年間よろしくお願いします!」
お手本じみた、挨拶をする転校生。
小島彩奈は、それが当たり前のように、
すぐクラスメイトとすぐに仲良くなった。
理由はいくつかあると、思うが。
理由の中で必ずあるのが、
美女でお金持ちと、言うことだと思う。
彩奈はどこかの、地域の町長の孫らしい。
私が、彩奈と事件を起こすことになったのは。
彩奈が、転校してから1ヶ月経ったころのこと。
「こんにちは」
ただの挨拶だったのに、私はきっと。
最悪の初対面だったと、今でも思う。
「どうも」
私は、彩奈の方向に顔を向け、
素っ気なさそうに、そう発し。
彩奈と反対方向を顔を向け直した。
「彩奈ちゃん
こっちで遊ぼう!」
「うん
またね」
彩奈は私から、
離れクラスメイトにこう言われた。
「あの子とは関わらない方がいいよ」
「どうして?」
「あの子、親いないね」
「えっ?」
「いないわけじゃないけど
親戚に拾われて虐待されてるって噂
だから近づかない方がいいよ」
「愛想ないしね」
クラスメイト女子2人が、私の影口を言う。
「ふーん」
彩奈は、夏美を見ながら、微笑んだ。
彩奈は、キャラ作りのために、夏美に近づいた。

「なーつみちゃん!」
机に伏せている、夏美に声をかけた。
「なんですか?」
敬語で、めんどくさそうに、言う。
「顔ぐらい向けてよ!」
「はー」
彩奈の方に、顔を向ける。
「よしっ」
彩奈は、笑いながら言った。
「私に話しかけて大丈夫なの?」
「ただクラスメイトと話をしているだけじゃん」
「そうだけど」
「ふふふ」
彩奈は笑った。
「何?」
「いや
思ったより
甘いんだなって!」
彩奈は後ろで手を握り、前屈みで言った。
「友達にならない?」
「いやです」
「えーなんで?」
チャイムが鳴った。
「授業を始めるぞ」
担任が入ってきて、彩奈は、席に戻った。

塾の帰り道。
彩奈は、いつもの、帰り道を、歩いていると。
コンビニにいた夏美を見つけた。
「夏美ちゃんだ!」
夏美は、制服のままだった。
「もう9時近くなのに
どうして制服なのかな
話しかけに行こう」
次の瞬間。
夏美はカバンにパンを一つ入れ、逃げるように、
コンビニを出た。
「万引き?」

次に続く 第1章 2人の嫌いな世界 中