いつも立ち寄るあの店で、思いがけず薪を分けてもらった。
「生薪あるけど持って帰る?」と、当たり前みたいに差し出されるその手に、なんだか胸があたたかくなる。
ネットで買い物をすれば、確かに楽だし早い。
画面をタップするだけで、欲しいものは翌日には届く。
でも、そこには声も、間も、ちょっとした雑談もない。
店頭でのやりとりには、予定外の出来事がある。
世間話の延長で薪をもらったり、近況を聞いたり、
「またね」と言葉を交わして帰る、その時間ごと持ち帰る感じ。
薪はただの燃料かもしれないけれど、
そこには人の気配や、関係性の温度が残っている。
火をくべるたびに、あの店の空気や会話を思い出す。
便利さよりも、効率よりも、
こういう偶然の交流が、暮らしをちゃんと“生きたもの”にしてくれる気がする。

