「ん……なんだこれ」
新聞受けにぶくぶくに膨れた茶封筒が入っていた。
中を開けると、白い粉が詰められたパックがいくつかと、4つ折りにされた紙。
紙を開く。
「試供品:惚れ薬…?」
そんなあからさまに怪しい薬なんて、誰が試供品でも使うんだ。
まぁ暇だし、説明くらいは見てみるか。
『これは、意中の相手に飲ませることによって惚れさせる薬です』
そのまんまだな。
『しかし、使用の際にはいくつかの条件がいるのです』
ほー
『まず第一に、飲ませた後に相手の意識を被惚れ者に向けさせなければなりません。これは相手の思考対象によって惚れる相手を決定するという薬の性質上、やむを得ないのです』
まぁそりゃ使用者ってのを薬が判断できるわけないしなぁ。しかし被惚れ者ってかなり無理のある表現だな……。
『もし相手がアニメやマンガのキャラのことを考えていたら、その相手に惚れることになります』
さらっとすごい嫌なこと書いてあるなおい。
『しかしこの性質を利用すれば、使用者が第3者であろうとも惚れさせることは可能です』
つまりは、くっつけたい相手の片方に飲ませて、その後くっつけたい相手2人を2人きりにさせれば、くっつけることができると言うことかな。
『旦那を強制不倫させて慰謝料要求してウハウハです』
「犯罪スレスレの使い方じゃねぇか!!」
『第二に、効果時間は1週間程度です』
確かにずっと惚れさせるなんて無理だよなぁ。同じ相手に恋し続けられるのは3年程度だって言うし。
『効果が切れた後は、薬の作用によって惚れ続けることはありません。しかし、その効果期間中に好感度を上げておけば効果期間後も付き合うことはできます』
きっかけにはなる、ってことか。
『ま、こんな薬を使う奴にできるとは思えませんがhehehe』
あんたがそんな態度でいいのか。
『なお薬を飲ませ続けることによって効果の持続は可能ですが、身体や精神に悪影響を及ぼす恐れがあります』
副作用ってやつか。怖いな。
『例えば、息切れを起こしやすくなったり、集中力が低下したり、』
ふむ……
『働いたら負けかなと思ったり、』
ニートかよ。
『や ら な い か』
「それ薬の効果的に合わないから!!」
いや、ごく一部では合ってるのか?
『そんな被惚れ者をむしゃくしゃして殺った場合、薬物反応が出るので、惚れ薬を使ったイタイ野郎ってことはすぐにばれるので、そこんとこヨロシク』
いやヨロシクじゃないだろ。
『第3に、血縁者(3親等以内)には効果が出ません。これは、法的に問題があるため、遺伝子情報の一部を認識して本能的に効果が出ないように抑制しております』
技術的にはよくわからんけど、すげーな。
『この性質上、血が繋がっていない相手には薬の効果がでます』
そうだな。
『妹の判断(義理か本物か)に御使用ください』
「なんだそりゃ!!」
『効果が出たら、そのままお楽しみください』
何をだ。
『ああ、そうだった。大切なことを忘れていました』
なんだ?
『コホン(咳払い)』
『弟の判断(義理か本物か)に御使用ください』
『効果が出たら、そのままお楽しみください(*´Д`)ハァハァ』
「律儀に言うな!!」
しかも変な顔ついてるし。
『ちなみに、この血縁抑止機構は特別料金を払うことで、削除したバージョンを買うこともできます。これで貴方も(*´Д`)ハァハァしてください』
だから、その顔はなんなんだ。
ていうか法律に引っかかるって自分言っただろ。
『最後に一つだけ』
ようやく最後か。
『そんな薬本当にあると思った? バーカ。だからお前はイタイんだよ( ´,_ゝ`)プッ』
「オチとしては弱いんだよ!!」
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いやほんとオチが思い浮かばなかったんです_| ̄|○