天駆ける(15) 家族のその後・稔の母 | 前世の記憶を辿る Past life memories

前世の記憶を辿る Past life memories

元ブログ『前世の記憶』の続き。
前世の記憶では前世以外のカテゴリーも様々書きましたが、本ブログは、
前世関係に特化させたいと思っています。

稔が空中戦闘で、その命を散らした後、実家に、戦死の

報せが届いた。

 

 

しかし母は、その手紙を受取ろうとしない。

郵便局員から、顔を身体ごと後ろに背け、拒否した・・

 

--たとえ息子や、夫が亡くなっても、

『名誉の戦死』 だから、泣くことは許されないのに--

母の目からは、堪えてもこらえきれない涙が、止めどなく

溢れてくる・・

 

 

彼女が、自分の故郷へ帰ったのは、終戦後しばらく経った頃。

 

--夫が亡くなった時ですら、実家に帰らなかった娘が

自分の顔を見るなり、子ども時代に戻ったかのように

その胸で泣きじゃくった。

 

娘の変化に驚くより、さぞ辛かったろう、と、母の胸は痛んだ。

 

父と母は請われるまでもなく、娘を迎え入れた。

 

そのまましばらく故郷で暮らすうち、再婚話が持ち上がった。

相手の男性には連れ子がいる。

 

しかし、今まで断固として再婚話を断っていた気丈な娘が、

あっさりと再婚を決めた。

 

理由は、連れ子の

 

目がくりっとした男の子--

 

父親に似たのか、性格はおとなしく、一緒に居るだけで、

心が癒された・・

 


父母が、娘の行く末に安堵したことは間違いない。

 

その後彼女は、幸せな晩年を送ったが、片時も稔のことを

忘れることはなく、その後半生を息子の供養に捧げた・・・

 

 

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