天駆ける(8) 父親像 | 前世の記憶を辿る Past life memories

前世の記憶を辿る Past life memories

元ブログ『前世の記憶』の続き。
前世の記憶では前世以外のカテゴリーも様々書きましたが、本ブログは、
前世関係に特化させたいと思っています。

現代風なイケメンだった要は、当時の風潮に逆らうように

優しい人だった。

 

稔の存在が、要の目に止まったのは、その笑顔にあった。

 

厳しい教官達に囲まれて、内気な学生であれば委縮して

しまうところ、何故か彼はいつも笑顔でいる。

決して目立つ存在でもないし、質問に来るときも遠慮がち--

なのに、ふと見るとにこにこしている。

年ごろの少年らしいニキビも、愛嬌だった。

 

よほど、ここでの勉強が嬉しいのだろう、飛行機が好きなんだ

ろう、と--自身の気持ちと相通ずるものがある、と推測した。

 

要への質問が増えるにつれ、稔は、接した記憶の殆どない

父親像を無意識に彼に重ねていったとしても、不思議では

なかったろう。

 

--また、要はといえば、男兄弟がいなかったことで、弟に

接するとは、こんな感じなのかという新鮮な感覚もあったが、

何より可愛がっていた妹のことをいつも気にしていたことから、

稔の笑顔は癒しとなった。

--戦時下、離れ離れになって、どんな苦労を重ねている

ことだろう、と、マイナス思考になりがちなところ、彼女も

彼のような笑顔で暮らしているかもしれない、そんなに

心配しなくてもいいのだ、と思わせてくれた・・・

 

 

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