Sさんから依頼いただいた鑑定は、想像を超えて
過酷なものとなりましたが、得たものはそれ以上に
大きいと感じました。
始めは、薄幸な母と、幼い頃から苦労を重ねる娘、
そしてこんなに強い心を持った『お兄ちゃん』が
何故理不尽な人生を送らねばならなかったのか・・
誰もが、何か落ち度があってそうなったわけではない。
すみません、ちょっとここで中断します。
以前、記事を書く段階で『自動書記』のようになることが
あると『大地が純白に染まる時』で書きましたが、今回
それはありませんでした。
母の描写、お兄ちゃんの描写をする都度、涙が零れ、
悲しい気持ちになる--それがすべてでした。
が、たった今、書いている途中、↑でお兄ちゃんについて
書いていた時です。ふと、彼の『今』の気持ちに焦点を
当ててみたところ、シモーネと暮らした短い日々が、
とても楽しかったと伝えてきました。哀しみの気持ちが、
一切消えているのです!初めてです、ずっと悲しい気持ち
しか感じてこなかったので・・
お兄ちゃんがどこの誰だと特定できないのが残念ですが、
少なくとも、彼の哀しみの事情を伝えてほしかった望みが
叶い、気持ちが晴れたような気がします。
信じるか信じないかの世界ですので・・耳半分でどうぞ
戻ります。
『得たもの』が大きかった、という件について。
ナチスが犯した罪について、残酷な史実が多くて深く知る
ことに目を背けていたようなところがありました。
今回は、舞台がポーランドとドイツであったことから、思い
がけず、ポーランドという国の歴史、そして大戦時には
広く知られているユダヤ人迫害以上ともいえる迫害を
受けていた事実を知ることになりました。
また、逆の事実を知ることもありました。
『勝てば官軍負ければ賊軍』という諺もあるように、
敗戦国は、全てが悪としてその名が残ります。
しかし、実際は、例えば『ヒトラーの娘たち』にあるように、
当事者達は、悪と知っていて戦争に関わっていたわけ
ではない、(もちろんした事は、決して善ではないが)
官僚のトップ達が下した命令に従うだけの民間人
が戦犯として死刑判決を受けたりしているのです--
正義がまったく通用しないような立場に貶められること
に対して、それを自業自得と済ませてよいのでしょうか。
悪の意識なく戦争に関わっていたという事は、ドイツに
限らず、どの国でもあり得る話だと思いました。
少なくとも敵対する相手国にとっては正義で無いことも
立場を変えれば(自国の人間からすれば)正義なのだ
から。
ナチスの非道な逸話ばかり表面に出ますが、戦後の
どさくさで、ヨーロッパの他国に移住していたドイツ人
達が帰国途中、恨みを持つ人々から激しい暴力や
私刑を受け続けた事実は、表沙汰にされていな
かったと思います。
ネットの登場によって、様々な事実が明るみに出て
きたということでしょう。
ナチスの所業は決して肯定されませんし、二度と
繰り返してはなりません。
しかし、未だに世界の一部地域では、終戦を迎える
ことができないでいます。



