小さな子どものように泣き、そして泣き疲れた頃、カミラを院に連れて
来たシスターが、礼拝堂の一角に招き入れた。
気付けば、涙の理由など、問う素振りすら見せなかったシスターに対し、
父の事、ミラーナの事--そして、ミラーナに対する罪の意識に苦しんで
いることなど、すべてを告白していた。
告白してしまうと、何故か重荷が下りたような気がするのも、物静かな
シスターが、終始何も口を開かずじっと聞いてくれていたからかもしれ
ない--
我に返って改めて周囲を見渡せば、先程、無邪気に賑やかに自分を
迎え入れてくれた子どもたちが、別人のように真剣な面持ちで、祈りを
捧げている様子が目に入った。
シスターが口を開く--その子供たちは孤児である事、院で面倒を
看ている事--将来もここに留まるか、出ていくかは彼ら次第では
あるが、少なくとも今の彼らは、教義を真剣に学び、院内に作られた
農園での労働も厭わず行う、敬虔な善きクリスチャンである。
子ども達が祈りの歌を唄いだすと、それはカミラに、少女時代、父に
連れられ、何度も足を運んだ教会の情景を思い起こさせた。
子ども達のキラキラした瞳は、彼女が彼らと同じ年頃だった時の気持ちを
甦らせた--歌手の父に憧れ、自分も将来は歌手になる、と心秘かに
決めていた・・・!
--でもこの瞬間、彼女にはその夢に対する未練が、ちりほども残って
いなかった。
というのも、自分の意志に反して連れて来られた修道院で、そのわずかな
滞在時間で、将来への新たな夢を見い出し、その夢に向かって生きる
自分の姿を、ありありと思い描いてしまったからだった・・
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